私もプリンシパル (ページ5)

今日:12 hit、昨日:0 hit、合計:51,300 hit

4. ページ5

＊

※更に翌朝｡

昨日の糸真ちゃん､やっぱりずっと2人…いや､和央のこと気にしていたみたい｡

朝､和央が来た時も前日会っていたのにあたかも初対面ですって感じ醸し出してたし｡

でも音楽の授業の時の糸真ちゃん見てたら､たぶん和央のこと気になってるのかなーって思う｡

まぁ初日の時から薄々糸真ちゃんが早速和央に惚れてんじゃないかって予想はしてたんだけどね…

聡太「ねぇー､Aー！見てあれ！住友さん！」

『糸真ちゃん…？…あっ…和央と……弦くん』

聡太「すごいねー､あの2人と一緒に登校しちゃってるよー？」

『弦くんも…やっぱり一緒なんだ…』

聡太「…A…どうしたの？弦となんかあったの？喧嘩でもしちゃったー？」

さくちゃんの本気かふざけたのかわかんないような一言は無視して､数メートル先を歩く3人を見る｡

糸真ちゃん…たしかにすごい｡

でも…俯いて､なるべく周りを見ないようにしているみたい｡

聡太「今日は糸真ちゃんもいるんだから､Aも2人のとこ行ってくればー？僕は1人でも全然へーきだからさー」

『…ううん…私は…いいや』

聡太「えー､もったいないー｡Aはもう文句言われないんでしょ？」

『…いいの｡別に私が割り込むことでもないし…』

何で…私､あの3人のとこに行けないんだろう…

私が入る事で､和央と糸真ちゃんの話す機会を邪魔しちゃうのが嫌だから…？

それも一理あるかもしれない｡

でも…主な理由はきっと､弦くんと糸真ちゃんが話しているところを近くで見たくないからだ…

糸真ちゃんは和央が気になってるんだから､弦くんの事はなんとも思ってないはず｡

私がこんなにも拒んでいるのは…

"私自身も傷つきたくない"から…なんだと思う…

晴歌「…おーい､Aー？朝からどうしたの？そんな暗い顔しちゃってー」

『ん…？あぁ､晴歌ー！ただ単に眠いだけだよー？笑』

晴歌「そっかー､もう～心配させないでよー笑 …ってか､何あれ？何で糸真が2人と一緒にいるの？」

…あっ､まずい｡

あの状況を1番見せちゃいけない人に見せちゃった｡

『家がご近所だからじゃない…？笑』

なるべくいつも通りの笑顔でそう言ってみたけど､もう遅かったと思う｡

晴歌に私の話が聞こえていたのか､いなかったのかはわからないけど､

いつの間にか真顔になっていた晴歌の目は確実に糸真ちゃんを見つめていた｡