私もプリンシパル (ページ39)

今日:8 hit、昨日:0 hit、合計:51,296 hit

37. ページ39

＊

1人飛び出して来たものの､どこに行けば良いんだろう｡

弦くんち？でも和央と一緒にいるかな…？

いや､たぶん旭山の丘のところにいるはず｡

あそこは小さい頃､弦くんと何度も遊びに行ってた思い出が詰まった場所だから｡

いるかどうかなんて確信はないけど一か八かで旭山に向かって全速力で走る｡

・・・

旭山まで来てみたけど､弦くんの姿は見えない｡

でもきっと弦くんは近くにいると思う｡

弦くんに呼び出されるとしたらここの可能性が高いし｡

『げーーーんくーーん!!』

名前を呼んでも弦くんは来ない｡

『うーん…ここだと思ったのになぁ…やっぱり違うのかな？それとも寄り道してたりして…そしたら絶対許さないからあの野郎…』

弦「…誰があの野郎だ？」

『…あっ､弦くんっ…』

1番聞かれたくないところを聞かれて､少し焦る｡

全く…弦くんったら､聞きたいこと教えてくれないし聞いてほしくないこと聞いてたり…

こっちが呆れていると､弦くんがズカズカとこっちに近付いて来る｡

『…あれ？ご機嫌斜め？』

弦「当たり前だろ｡あの野郎って言われるしよ､勝手に東京行こうとするしよ｡何で糸真と一緒のタイミングで言わねぇんだよ」

『だって…気まずかったし…言いづらいし…』

弦「それに明日って…急すぎるだろ…」

『ほんとごめん…』

弦「…まぁ今更何言ったって行くことは変わらないんだろ？」

『…うん…私､東京行って､自分がほんとにやりたい事を見つけたいなって思ったの｡私さ､ずっと東京に憧れてたし…』

弦くんは私が話してる間は大人しく聞いていたけど､私が話し終わると今度は弦くんの方が口を開いた｡

弦「…あのさ俺､今回全滅だったんだよ」

『えっ…？全滅…？』

弦「…仕方ねぇだろ｡俺だって落ちたくて落ちたわけじゃねぇから｡んまぁ､だからよ…来年は俺も東京行くわ」

『えっ､弦くんも来るの？』

弦「…なんかお前いないと物足んねぇし…昔っから一緒だったしよ…やっぱり俺はお前が必要だし､側にいてほしいっつーか…あー､何言ってんだ俺…」

照れくさそうに話す弦くんを見て､少し驚く｡

まさか弦くんがそんなこと思っていたなんて…

『私も…弦くんに側にいてほしい!!離れるの寂しいから…!!』

もう頭の中がパニック状態だけど､なんとか言葉を繋げて気持ちを伝える｡

普通はまさかこんな展開になるとは到底考えられないじゃん？