私もプリンシパル (ページ35)

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東京に行くのは卒業式の翌日ということになり､部屋の片付けをしているとさくちゃんが遊びに来た｡

机の上の合格通知を見て､さくちゃんが寂しそうに呟く｡

聡太「ほんとに東京行っちゃうんだねー…」

『散々行くって言っといてやっぱり行きませんーってなる方がおかしいでしょ』

聡太「まぁそうだけどさー」

『せっかく家に来たんだから片付け手伝ってよ』

聡太「えー！なんでー!?女の子の部屋の物を勝手に触るのはさすがに抵抗が…!!」

『私がお願いしてるんだから勝手じゃないから｡ほら､手伝って？』

聡太「…仕方ない､手伝ってあげる｡こんなに優しい男の子他にいないからね!?」

『わかった､わかった｡ありがとう笑』

渋々､部屋の片付けを手伝ってくれてるさくちゃんを横目に私も片付けを再開する｡

やっぱりさくちゃんも男の子ってだけあって､片付けは順調に進み､あっという間に終わった｡

聡太「ふぅー｡やっと片付いたー」

一仕事終えて､ひと休みしているさくちゃんを見ていると､この間の糸真ちゃんとの会話を思い出した｡

『ねぇ｡さくちゃんさ､糸真ちゃんからなんか大事な話とか聞いてない？』

聡太「え？大事な話？…何も聞いてないし､それに最近糸真ちゃん､なんか勉強熱心だったからあんまり話せなかったよー…」

糸真ちゃん､ほんとに話さないつもりなんだろうか…

まぁ､私も人のこと言えないけど…

でも糸真ちゃん達は私と違って実際に付き合ってるんだから､言った方がいい気がする｡

『…あのさ､帰りに糸真ちゃんちに寄ってみて｡糸真ちゃん､さくちゃんに隠し事してるから』

聡太「えー！僕､隠し事されちゃってる？」

『残念ながらね笑』

聡太「うそーん！えっ､まって｡今すぐ糸真ちゃんち行きたい」

『別に行けば良いじゃん笑こっちは片付けも済んだし』

聡太「わかった！ごめんね！ばいばい！」

勢いよく走ってくさくちゃんを軽く見送る｡

あーあ､私も両想いになれたら良かったな｡

そしたら弦くん､私が東京行くって聞いたら寂しがってくれるかな…

まぁ､弦くんのことだから寂しがることはないか笑

そんな事を考えると何故か私の方が寂しくなってきちゃった｡

もう弦くんの事は諦めたはずなのに…何でだろう…凄く悔しいけど…

やっぱりなんやかんやで幼い時から一緒だったから､弦くんがいない生活なんて不安だらけだな…