私もプリンシパル (ページ34)

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＊

あれから数日後｡

あれ以来､弦くんを含め誰とも会うこともないままクリスマスを迎えた。

今日も特に出掛ける用もなく家でまったりしていたら､

突然糸真ちゃんから電話が来た｡

『糸真ちゃん､急にどうしたの？』

糸真《あのさ､急で申し訳ないけどAに話さなきゃいけないことがあるからさ､今から家来れる？》

『え…？別に大丈夫だけど…今から？』

糸真《うん！待ってるねー！》

そう言うとプチっと電話が切れる｡

…いきなりすぎやしないか←

まぁでも､糸真ちゃん大好きだから言われた通り速攻駆けつける｡

これがさくちゃんだったらとりあえず1回ぶっ飛ばしていたかもしれない←

糸真ちゃんちに着いて､インターホンを押すと出てきたのは和央の方だった｡

和央に案内されて糸真ちゃんのお部屋に行くと､どうやら勉強中だったみたい｡

『糸真ちゃん勉強中？』

糸真「うん､ちょっとね笑でもAが来るまでやってようって思っただけだから気にしないで笑」

『そんな勉強熱心な最中に私を呼び出すほど重要な事？』

糸真「うーん､まぁ…一応Aには最初に言っておきたくて」

『晴歌達には？』

糸真「晴歌達には後で言うつもり｡さくちゃんにはちょっと言いづらいけど…」

さくちゃんに言えなくて私には言えることってなんだろう…

私がそう考えていたのがお見通しだったのか､糸真ちゃんは軽く苦笑いをしながら話し出した｡

糸真「…私もね､東京の大学受けようと思う」

『そっか… それは確かにさくちゃんには言いづらいかもね』

糸真「うん…あたしさ､東京から来たじゃん？でもお母さんだけは東京に残ってるの｡それで､お母さんまた離婚しちゃったみたいで笑お母さん独りになっちゃうから､心配でさ笑」

『なるほどね…』

糸真「こっちの家族にはもう言ってあるんだけど､さくちゃんに言う勇気がどうも出なくてね…笑」

『…それは私も同じ笑実際今､弦くんと気まずい感じだし｡なんか､弦くんのことはもういいかなって思えてきちゃった笑』

糸真「…え？諦めちゃうの？」

『うーん…諦めるっていうかなんていうか､まぁそういう事になるんだろうけど､でも今はとりあえず勉強で手一杯だし』

糸真ちゃんは半々で納得したようなしてないような顔してるけど､

私はもうこれでいい｡

…どうせ受かれば離れるんだから､今から吹っ切ってた方が後で困らずに済む｡