私もプリンシパル (ページ26)

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弦くんの背中に乗って､みんなの元へ戻っている途中､

ふと､弦くんがこんな事を言いだした。

弦「…なぁ｡おまえさぁ､なんか重くなったな」

『…はぁ!?いつと比べてんの!?』

弦「昔､おまえが迷子になった時」

『それってみんなでかくれんぼしてた時の話？』

弦「あぁ｡おまえ､あん時も勝手に森の中入ってったもんな」

まさか弦くんが覚えているなんて思わなかった｡

絶対忘れてるだろうなって思ってたから､びっくり｡

でもそんな事より､今の弦くんなかなかの爆弾発言っぷりじゃない？

『…そんなことより､昔より重くなったって当たり前のこと聞かないでよ！笑小学生の時と体重変わらない方がびっくりするわ』

弦「体重は変わっても中身は何も変わってねぇな」

『えー！そんなことないでしょ！』

弦「昔と何も変わってねぇからこーやって同じようなことやらかしてんじゃねぇか」

『…それはそうだけどさ…』

弦「でも昔と変わったとこ､1つだけはあるかもな」

『え？1つだけ？』

弦「おまえ､昔は毎日毎日何が楽しいんだかは知らねぇけど､とにかくずーっと楽しそうだっただろ？」

『そうだっけ？』

弦「でも最近のお前はなんかずっと苦しそうな顔してっからよ｡そこは変わったなって思う」

『…そんなに私のこと見ててくれてたの？』

弦「だっておまえ前は和央みたいに､いつだって側にいたのによ､急に離れてったじゃねぇか｡だから心配だったっつーか､なんつーか…」

弦くん､もしかしてずっと私のこと､気にしてくれてたの？

『それは…弦くんと和央､中学の時からもう人気出始めたじゃん…だから､だから…私はもう2人の側にいられないって思って…』

弦「なんだそれ｡そんなの気にしてたのかよ」

『それに今はもう､晴歌が側にいるでしょ？私が側にいる必要はないじゃん？』

弦「国重とお前は違うんだよ｡お前はお前でいいだろ」

弦くん…そんなこと思ってたんだ…

弦くんいっつも仏頂面だから何考えてるかわかんなかったけど、

やっぱり見た目によらず心優しいんだなって思う｡

『弦くんってやっぱり優しいんだね』

弦「なんだよ､急に」

『今の話聞いてたらそう思ったの』

弦「…ふぅん」

このままずっと2人で話出来たらどんなに幸せなんだろうなって思った｡

でもやっぱりそんなわけにはいかない｡

幸せも束の間､みんなの姿がだんだんと見えてきた｡