私もプリンシパル (ページ24)

今日:22 hit、昨日:0 hit、合計:51,310 hit

22. ページ24

＊

キャンプ当日｡覚悟していたとはいえ､やはり目の前でイチャイチャされるのは胸が痛む｡

バドミントンしたりバレーボールしたり､楽しいんだけど弦くんの晴歌ペアは運動神経も良いから強いし…

何より結構息があってるところが悔しい｡

金「…Aちゃん､体調悪い？」

『え？そんなことないよ？笑』

金「なんか顔色悪いけどほんとに大丈夫？」

『うん！大丈夫！笑』

極力明るく振る舞い､金やんに心配かけないようにする｡

弦くんのことは悪魔でも"さりげなく､やれる事があれば"程度だから｡

午後は自由行動という事になった｡

1組くらい日陰でゆっくりしてるってところもありそうだけど､

まさかのみんなして個々にお散歩｡

だから私達の方もお散歩にしようか､という流れになった｡

『私､こういう自然豊かな場所好きなんだよね』

金「確かにねー｡落ち着くもんね」

そうやって呑気に歩いていると､よりによって今1番会いたくない2人がいた｡

金「あっ､あれ国重と弦さんじゃない？」

『う…うん…』

まだ､手を繋いで歩いているなら平和に終わっただろう｡

でも晴歌の方から弦くんにキスしだした。

さすがにもう､我慢の限界｡

『もう……いや…もう無理…』

クルッと後ろを向いて､衝動のままに走り出す｡

後ろから金やんの声と追いかけてくる気配がするけど気にしてられない｡

晴歌達から離れて来た頃､ようやく歩き出すと金やんがその隣を並んで歩く｡

お願いだから､今は1人にしてほしい…

たぶん金やんは気遣ってるつもりなんだろうけど､気遣うつもりならわざわざ隣をピッタリと歩かないでほしい｡

金「なんか､友達のあんなところ見ちゃうとこっちまでドキドキしちゃうね笑」

ヘラヘラしながら近付いてくる金やんを見て､もはや怒りさえ感じてくる｡

こっちの気も知らないくせに無理矢理慰めようとしないでよ｡

『…私のこと､何もわかってないのに無理に気を引こうとしないでよ…!!今のこっちの気持ちも考えてよ!!』

そのまま金やんを押し返してまた走り出す｡

今更なんて事を言っちゃったんだろうと後悔してももう遅い｡

もう自分の気持ちさえ､よくわかんなくなってきて､

ただただ逃げることしか出来なかった｡