白の九尾狐【文スト】

対立 ページ17

｢うし、陸に着いたぞ。｣

『一生恨むから。』

｢そう睨みつけんなって、｣


此奴信じられない、あれだけ無理だって言ったのにずっと飛ぶんだから。

今思い出しただけでも吐き気がする。

もう一度文句を言おうとした瞬間、中也の顔が険しくなった。



『どうしたの？』

そう問えば中也は私の前に出て下がっていろと言った。
其の瞬間寒気がした。


心臓がﾄﾞｯﾄﾞｯと脈打つ、体には寒気と全身が針に刺されたような感覚。

恐らく、殺気というやつだろう。


異界にて私を知っている人物は二人、中也と糞狐だけだ。



中也は私を守るかの様に戦闘態勢に入っている。
なら考えれる事は一つしかない。








糞狐が此処に来ている。









｢随分と楽しそうだったじゃないか、A？｣

全身の毛が逆だった気がした、身動き一つとれない。



『ぅ、ぁ、、。』



｢...おいおい、ビビってんぜ？可哀想じゃねぇか。｣



｢私はAに話しかけているのだよ、君じゃあない。｣




迚冷たく、低い声、
中也でさえ黙ってしまった。






｢...帰ろうか。｣

彼の手が私へと伸びて捕まると思った瞬間、彼は後ろへと飛び退いた。





｢危ないじゃないか、中也。｣


｢此奴は俺が人間界に戻す、手前は黙って見てろ。｣




両者が睨み合う、


｢抑の話、私は君にも怒っているのだよ。｣

｢Aを勝手に連れて行き、挙句の果てには人間界にもどす？｣



















｢巫山戯るのも大概にし給え。｣

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