白の九尾狐【文スト】

五歳の誕生 ページ1

偶に夢となって出てくる九尾の狐、

思い出せば思い出す程、身震いがした。










そう、あの日は私の5歳の誕生日だった。

だけど私は両親と喧嘩をしてしまった。



理由は父の急な仕事。



その日は休みを取っていたが、上司の急な呼び出しに父が仕事に行った事で私は怒った。





『何で！ママもパパも今日は一緒だって云った！』

「ごめんね、A。」

「帰ってきたら、ちゃんと宴(パーティー)をしような。」





娘の誕生日なのに仕事、

当時の私は理解出来なく"もう知らない"と叫び家を出た。

之が後々私を後悔させるとも知らずに...









近くの公園で私は身を屈め、独り泣いていた。



(パパもママも嫌い、)

(Aの事なんてどうでもいいんだ！)



負の感情が私を支配する、そんな時水の音が聞こえた。

聞こえた方に目を凝らすと...



白い耳に白い九つの尻尾をもったお兄さんがいた。

俗に言う人型の九尾狐だろう。

私は吃驚して後ろに倒れてしまった。

其れに気付いた九尾の狐は私の方を振り返った。




九尾の狐は口から血を垂れ流し、其れを水で洗っていたのだ。

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