47、馬と馬 ページ49
そうしてやってきた壁外調査当日。
早朝から兵服に着替え、自由の翼を背負って寮を出た。
隊列を成して壁外へ出るまでにやることは、己と馬と班のコンディションチェック、それに仲間の顔を見ておくこと。
長距離索敵陣形には指揮、待機、索敵、伝達など班別の役割がある。私たち新兵はその中の荷馬車と護衛班と索敵支援班の中間で予備の馬との並走と伝達が任された。
104期の皆は見事に散り散りになった訳だ。
未だに不満と不安が残るが、これを引き摺っているようでは調査兵団は務まらない。
馬小屋へ行って黒褐色の私の馬の手入れを始める。根ブラシをかけて、顔や首をぽんぽんと撫でてやると気持ちよさそうに鼻を伸ばした。
そこへ彼がやって来た。
『おはよう。よく眠れた？』
「あぁ、まあな…」
若干緊張した面持ちのジャン。私と同じように馬の様子を見に来たようだ。
いつもならすぐに会話が始まるのだが、今日はそうはいかない。目すら合わない。
とにかく不安なのだ。ジャンもアルミンも恐らくミカサも、他の皆も、そして私も。朝から今まで眉を八の字にしている人を何人見たことやら。
そんな不安をどうにか和らげることが出来ないかと軽口を叩いてみる。
『私、馬と一緒にいると何だか安心するんだよね。』
「そりゃあ良かった。けど、戦場での御守りにしちゃちと心許ないんじゃないか？」
『何でだろうって考えたら、ジャンに似てるからだって答えに辿り着いた。』
「っ、あぁ！？A お前…馬面だっていいてえのか！？」
一瞬噎せた後、ぐるっとこちらに顔を向けたジャンとばちっと目が合う。眉を吊り上げた彼はさっきまでの緊張が解けたようだ。
『冗談。やっと目が合った。』
くくっと笑って見せると、ぷいっと顔を背けられてしまった。
「お前意外とそういうところあるよな…」
『意外じゃないよ。私は元々こんな感じ。』
じとっとした視線を軽くいなす。
「…まあでも、お陰で少し気分が楽になった。ありがとな。」
再び目が合った時、ジャンはほんのり微笑んでいた。
その笑顔に心臓がどっと強く脈打つ。ジャンだってそういうところあるじゃん、と言いたいのを胸の奥にしまった。
『ほら、皆のところに行こう。』
戻った場所はざわざわとしていた。皆、己の不安に気がついていないかのように振舞っている。
「あ、A！」
『アルミン。』
アルミンは不安げだ。その隣にはミカサもいる。
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ま い ま い(プロフ) - あたりんさん» 返信遅くなって申し訳ない…めちゃくちゃ嬉しいです！！！ジャン推しの星になれるように頑張ります！！！ (2023年4月11日 16時) (
レス) id: 140028ed61 (このIDを非表示/違反報告)
あたりん(プロフ) - ジャン好きなので嬉しいです！！更新楽しみにしてます！ (2023年4月2日 12時) (レス) @page20 id: c0f0373936 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まいまい | 作成日時：2023年3月19日 19時
