43、往生 ページ45
今になって後悔が押し寄せる。
掃討作戦が終わってから一回も会えてない。そもそも生きてるの？怖くて誰にも聞けない、話せない。
勧誘式前に壁が再び襲撃されると分かっていたら、ジャンともマルコとも関わりを持たなかったのに。
奥歯を噛み締めて過ぎたことを悔やんでいるうちに、式場を去る足音はなくなっていた。
「＿＿＿＿＿君たちは、死ねと言われたら死ねるのか？」
「死にたくありません！」
「そうか…皆 良い表情だ。
では今！ここにいる者を新たな調査兵団として迎え入れる！これが本物の敬礼だ！
心臓を捧げよ！！」
「「「「『ハッ！！』」」」」
いくつも声が重なったのを聞いて振り返った。
ブツブツとぼやくコニー、涙と鼻水を垂らすサシャ、涙を浮かべて震えるクリスタにそれを呆れたように見つめるユミル、そして＿＿＿＿＿
『え、ぇ？な、何で＿＿＿＿＿』
ジャンがいるの？
「第104期調査兵団は敬礼をしている総勢21名だな。よく恐怖に耐えてくれた…君たちは勇敢な兵士だ。心より尊敬する。」
そう言い残してエルヴィン団長が壇上から去った瞬間、いるはずのないジャンに詰め寄った。
『どういうこと！？団長の話を聞いてなかったの！？憲兵団志望は早くここから出ないと…』
「分かって残ったんだよ。」
私より随分 背の高い彼を見上げると、青白い顔がこちらを見下ろしている。
辺りを見渡して皆の表情を見ると、驚いている素振りがない。まさか、皆 知ってたの…？
『尚更 意味分からないよ！壁の襲撃と掃討作戦で全部 思い知ったでしょ！？…何の為に10名以内に入ったの！？』
頭が整理出来ない。
大きなリスクを背負ってまで調査兵団に決めた理由って？
『マルコはもう行ったんだ。きっとまだ間に合うから、彼と一緒に行ってよ…』
「マルコは死んだ。」
『＿＿＿＿＿なに、言ってるの。』
立て続けに伝えられた情報に頭を殴られたような心地だった。
マルコが、死んだ？もうこの世にいないの…？
あれ、私 最後にマルコと何を話したっけ。その時、彼はどんな顔してたっけ。
「いつ、どうやって死んだかも分からない。そんな風に知らないところで死ぬこともあるんだな。」
追い打ちをかけるように連なったジャンの声に吐き気さえ催した。
だって、マルコは立体機動だって下手じゃないし頭も良くて、10名以内だった。憲兵団に入ることは約束されていた。それなのに気付いたら死んでるなんて、あんまりだよ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 161人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ま い ま い(プロフ) - あたりんさん» 返信遅くなって申し訳ない…めちゃくちゃ嬉しいです！！！ジャン推しの星になれるように頑張ります！！！ (2023年4月11日 16時) (
レス) id: 140028ed61 (このIDを非表示/違反報告)
あたりん(プロフ) - ジャン好きなので嬉しいです！！更新楽しみにしてます！ (2023年4月2日 12時) (レス) @page20 id: c0f0373936 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：まいまい | 作成日時：2023年3月19日 19時
