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「_____じゃあ、このプリントは今週提出締切だからな。忘れるなよー。」



うだうだと長ったらしいプリントの説明が終わり、担任が上の台詞を言ったところでHRの終了を告げるチャイムが鳴った。
今日は始業式だからこれで授業は終わりらしい。周りからは”終わった〜”だの”これだけのために来たのくっそダルいな”だの文句が飛び交っていた。



それでも部活はあるらしく、クラスメイト達は皆ゾロゾロと部活の場所に向かって言っていた。朝話しかけてくれた女の子達も”Aちゃんまた明日ね〜!”と手を振って去っていった。
私は生憎部活に無所属だ。やることも無いし、部活の終了を待つ友達なんてものは存在しない。一人でとっとと帰るしか選択肢はなさそうだった。



「そいやAちゃん、部活って入ってねぇの?」



隣でカバンに荷物を詰めていた浦田君が話しかけてくる。この半日だけでだいぶ打ち解けてくれたらしい。きっと彼はコミュ力が最強に高いんだろう。羨ましい。



「うん、帰宅部。なんか、何入ったらいいか分からなくて。誘われるとかもなかったし。」
「あれ、さっきの女の子達とかには?」
「んー、何にも。お話はするけど、部活に誘われるほどは仲良くないみたい。」
「へぇ、そうなんだ。色々あるんだな。」
「うん…あ、浦田君は?部活何入ってるの?」



何だか話がどんどん暗くなっていく気がして、慌てて話題を切りかえた。彼は特に怪しがることも言うのを躊躇することも無く”軽音楽部”と答えてくれた。



「軽音楽部…!ギターとか弾くの?」
「そーそ。俺入れて4人しか居ねぇんだけどさ。楽しいよ。」
「そっかぁ。いいね、青春って感じする。」
「なんだそれ」



はははっと笑った彼。その手元で、スマホの液晶がキラッと光る。
画面を確認した浦田君は”やっべまーしぃ怒ってる”と焦ったような声を出していた。



「悪ぃ、部活行ってくる。」
「ううん、大丈夫。引き止めてごめんね、行ってらっしゃい。」
「おう、また明日なAちゃん!」



そのままバタバタと教室からかけていった浦田君の背中が見えなくなるまで手を振る。
私一人になってしまった教室は、嵐が去った後のように静かで、酷く寂しい気持ちになった。



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作者名:Key | 作成日時:2021年7月12日 1時

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