いつか、誰かの一番星【usss】 (ページ4)

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ガラリとドアをスライドすると、もう既に半分ほどの生徒が教室までやってきており、グループに分かれて談笑している姿が見えた。
私に気づいたらしい女の子数名が駆け寄ってくる。
綺麗にヘアセットされた髪に、少し淡いメイクを施した顔。朝に弱い私には到底できない物だ。女の子と言うのは本当に凄い。私も女だけれど。

「Aちゃんおはよ〜！今年も同じクラスなの嬉しい！」
「おはよう、私も嬉しいよ。またお話してくれる？」
「もっちろん！あ、座席表黒板に貼ってあるから見に行こ！」

女の子達に手を引かれ、やってきた黒板前。
”Aちゃんの席、凄いんだよ！”と女の子が興奮気味に言っていた。
ぽつんと貼られた真っ白な紙とにらめっこ…とはならず、女の子が”ここだよ〜”と教えてくれた。やさしい。

「ここ！窓際の一番奥！」
「わぁ…漫画みたいな席引いちゃったな…」
「それも凄いんだけど、隣の名前！見て！」

そう言って女の子が指をさす。
そこには、”浦田渉”という名前が印刷されていた。
交友関係が少ない私でも聞いたことがある名前だ。女の子に大人気な王子様の名前だった。

「いいなぁAちゃん…浦田君の隣なんて…」
「羨ましいなぁ〜…至近距離であの顔が見放題なんて…」
「そんなに人気なんだね…私喋った事もないからちょっと緊張しちゃうかな。」

陽キャの怖い人だったらどうしよう。大丈夫かな。
なんて少しだけ不安になりながら、私は自分の荷物を置きに机に向かって足を進めた。

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