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「なんて連絡したの?」

「『今何も用事がなければ俺の学校に来てくれ!』と言っておいたぞ」



放課後は、人によっては無常さを感じる時間帯。時間が少し経った後、羽風と守沢がそんな会話をし始めた。
守沢が打った文面を想像した瀬名はため息をついた。




「………ん?…もりっち」



待ち遠しそうに外を眺めていた羽風が、窓越しに人差し指を向けた。



「え!?A、早いな!?もう来たのかっ!?」



Aが来たらしい。自転車のハンドルを握り、門の前に立つ警備員と会話し始める寸前だった。



「う〜ん遠くからじゃよく見えなくて分かんな……でもなんか…かわいい?」

「俺に聞かないでよねぇ、ほんとうっとおしい」

「ってもりっちもういないし早っ!待ってよー!」











「A!」

「…!守沢!」



警備員に追い返されそうな瞬間、守沢が門の中から声を張り上げた。
警備員に事情を話し、門と少し距離を取った所で話し始めることにした。



「どしたの、こんな連絡初めてで、結構心配してたんだからね?」



何か、本当に急用かと思い、只事では無いのでは、と無駄に心配をしながら自転車を漕いで夢ノ咲学院まで走ってきたのだ。
守沢から呼び出されることなんて、滅多にないから尚更だ。



「あぁ、実はな、おまえに会いたいっていう友達が居て…」

「…………は?」



…自分に?
復唱し、思考が滞る。



「私に____」

「こんちわ〜」

「え………」



「私に会いたい人がいる」。そんなの、言われたのは初めてだ。
守沢がそれを言うということはつまり、守沢の知り合いが私に会いたがっている。
そしてわざわざここ、夢ノ咲に連れて来たということは守沢の友達で____

そう考えていると同時に甘い声に挨拶される。
振り返れば、綺麗なブロンドに襟足を施した、守沢よりも少し背が高い、いかにも人付き合いが得意そうな男が現れた。



「君がAちゃん?
え〜なにさ、もりっち。焦らさないでほしかったなぁ、超かわいいじゃん」



………か?

男は出し抜けに、私と目を合わせて、はっきりとそう伝えてくる。

かわいい。

それは私には絶対に不釣り合いな言葉で…守沢に一番言われていたい褒め言葉。昔を思い出す。

こんな、見ず知らずの人に言われた私は、気が動転した。



「か!?か、か、え!?はぁ!?な、なになっ、かわ!?」

「あははっ、めっちゃ動揺してる〜♪」

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作者名:5674C | 作成日時:2022年7月18日 18時

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