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「おまえは愛嬌もあるから、女の子っぽいし魅力的だと思うぞ！」
「なっ、ななっ、な、なん」
「いつの日か俺のことを犬みたいだと言ったことがあったが、Aもかなり犬よりな感じだよな？」
「そ、それはっ！！かっ、顔のこと言ってんのっ！？」
「ん…？いやまあ、今も言ったが…Aは言いようのない愛嬌もあるだろう？俺はそこが親しみやすくて結構好きだぞ！」
「す、す！？すすっ、すぅっ！？！？」
錯乱に陥ったか。犬のようだと言う言葉を無視して、自分の都合の良い部分にだけ話の矛先が向く。
守沢は激しく動揺する私が見えてないのか。眉間に皺を寄せ、真剣な顔つきで語り出した。
「見目どうこう考えるよりも先に、俺たちは深い付き合いになっただろう？だから正直、あまり考えたことがなくてな。
ははっ、なんか、まともな返事ができなくて悪いな」
「い、いや…」
「Aには、明確な価値がある！俺は自信を持ってそう言えるぞっ！堂々と！公衆の面前でっ！誰かに否定されても、何度だってな！」
守沢の解釈は斜め上に行き、私をいい気分にさせてくる。守沢は褒め殺しの天才である。
思っても見ない展開に歯痒さが解ける気配はない。頭を抱えて、その場をなんとか乗り切ろうと踏ん張った。
「というかどうしたんだ？A。
突然そんなこと言い出して…熱でも出たのか？自分がどのくらいかわいいのか心配にでもなったのかっ？
はっはっは！安心していぞ！中学の時はそこそこAの名前が上がってたし、案外モテてるみたいだったぞっ！」
…そういうお世辞を言って欲しいわけではない。
お世辞ではなく、守沢が感じる私への印象を、包み隠さず聞きたかっただけなのだ。
なんて、姑息な手を使ってしまったけど。
「俺はAのことを心強い仲間だと思ってるぞ。もっと似合いな言い方をすれば…相棒だな！」
「………………」
＿＿＿複雑。
私はもっと守沢に＿＿＿違う見方をしてほしい。それが、本音で、本当の＿＿＿
ボウ＊ンジャーの一員がピンチになり、激しい爆発音がテレビから鳴り出す。
守沢はその音に反応し、首を勢いよくテレビの方へ振り向けた。
「！何！？こんな展開だったか……！？なんだこの胸熱なエフェクトっ！」
「爆発の轟が勇ましい！」と、体制を変え、益々テレビに前のめりになる守沢。
私はその間でも、テレビに集中することができず、会話中に相槌と同調を繰り返していた。
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作者名：5674C | 作成日時：2022年7月18日 18時
