【あんスタ！！】仮面ヒーローの理想的彼女【守/沢/千/秋】 (ページ27)

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学校に行くことを強制されていた私は皆勤賞で中学受験を試み、巷で有名な名門校への合格を果たした。

嫌がらせに耐え続けることで、次第に周囲の目が変化してきていることを悟った私の小学校高学年時代は、ほとんど昔の様な酷な有り様を強いられることは無くなっていた。
周りは言った。
すげーな、よくやったな、と。
周りの大人も子供も、私に感心していた。

母も喜んでいた。私が望み通りに育ち、従順な者であることを心の底から喜んでいた。

「良かったわね！これであなたは〜〜大学に行けるのよ！」

入学式が終わり、帰り際に聞いた母のその言葉に、私は違和感と衝撃を覚えた。
〜〜大学。誰もが憧れる超有名大学の名前を出された時は動揺した。
私が、その大学に行く。
それはもう、決まってしまっていることなのか。

…もしかして、この学校に入ったのは、そのためだったのか？
その大学に行くことが、この学校に入った時点でもう既に決まっていることだったのか。
知らなかった。
中学生のこの時点で、私の将来はもう、決まってしまっていたのか。

それは、私が母に反抗もせずに従った結果だった。
私は、母が自分の望みを叶えるために、事実を伏せたまま私を搾取したのだと気づいていた。

自分の状況を客観視出来たのは随分後で、集団を意識し始めてからだった。

同学年の子と同じように大学受験に向けて勉強し、出される課題を淡々と熟していくうちに、気づけば私は受験生と呼ばれる歳になっていた。

しばしば、入学式の時に聞いた大学の名前が上がり、身近な話題に発展してきた頃、私はある人と友達になる。

友達の少なかった私にとって、彼女との出会いは人生の岐路を決めた人物であると思う。

彼女の人望は手厚く、熱意もあり、誰とでも仲よくできるフレンドリーな子という認識だった。
同じ委員会であったり隣の席であるわけではないのに、なぜか、彼女は、ただのクラスメイトである私によく構ってきた。

「ねぇ、Aちゃんは〜〜大学行くの？」

彼女の質問は、私以外が聞いたら困惑すると思う。
皆、この学校に通っていれば、当然であると思っていたからだ。

「……うん」

「へぇ〜！やっぱりお母さんから言われてるとか？」

「まあ、そうかな」

「そうなんだ…」

彼女は何か言いたげだった。教科書を眺める私から、視線を外さないからだ。