【あんスタ！！】仮面ヒーローの理想的彼女【守/沢/千/秋】 (ページ3)

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☆ ページ3

「ヒーローは悪よりも弱いの？
千秋…よく見て。茄子の手によって、他の具材たちが悪の手に染められてしまうよ？
この子達はどうするの。放っておくの！？ヒーローなのに！？」

「……う…そ、そう言われたら………くっ、くぅううっ」

茄子が、千秋の体内に入り込む。
茄子が入っていることは汁を飲んでから気づいたことだったらしく、千秋は残り少ない具を口に含み、噛み締め、飲み込んだ。

千秋はつい嬉しさで顔が緩んでいるAの肩に手を置き、舌に染み渡る茄子の味を感じないように集中しながら、「あ」と口を開けて見せた。

「えらいえらい！よく食べた！すごいよレッド！」

千秋は、喜ぶAの顔に胸がじんわりと熱くなり、顔が綻んでいる。
何者にも変えられない彼女の姿に、乗せていた肩の手に自分の額を置いて甘え出した。

それだけでは飽き足らず、次第に千秋は腕をAの腰へ回し始める。

「悪を倒したぞっ」

「えらいってば、ふふ、わかったよ。もぅ」

もっと褒めてほしい、ということなのか。わざとらしく言ったその言葉でAは千秋の頭を撫で回す速度を上げ、犬相手のように撫でくりまわす。

千秋はAが笑うと決まって愛情表現を施してくる。千秋は、照れくさいのだろう。Aの笑顔が一番好きで、彼はそのために生きている。

千秋お得意のスキンシップは、いつもの朝の時間を長く感じさせていた。

「もー、長いって…なーがーいっ」

耳元で二、三度言っても、千秋はくすくすと笑うばかりで離す気配がない。

自分に引っ付いたままの千秋の頭を撫でながら、しばらくこの状態が続くことを悟ったAは「打ち合わせあるんでしょ？」と千秋を催促させた。

「一緒に行く」

その言葉に「そんなわけにはいかないでしょー？」と言うが、Aも千秋への愛を隠しきれず。
もー、と言いつつ、顔はにやけていた。