☆ ページ19
案の定千秋に咎められ、Aは自身の発言を取り消したい衝動に駆られた。
その前に千秋がAの手をしっかりと握り、芯のある声音でAの言動を止めた。
「Aは、俺にとってのAは、天使なんだ。
前しか見てない無鉄砲な俺に、Aはいつも、新たな道をくれる。希望をくれる。道標なんだ。
自分を好きになれとは言わない。そんなの、すぐに出来るわけがないからな。
けれども、自分を卑下して、自分を見失うようなことだけは、絶対にしないでほしい」
俺からのお願いだ、と言う千秋の声は、心に沁みるほど優しく、Aの心にまっすぐ突き刺さった。
「………こんな状態でい言うことじゃないな」
「ふ、はははっ」
突然の冷静な発言に、Aから笑みが溢れた。
心の戸惑いを誤魔化すためでもあるが、間違いなくAの心は澄み渡っていたに違いない。
「…ふふ、いつもありがとね、千秋」
「思った通りのこと言っただけだ」
「大好き」
「ああ…俺も」
大好きだ、と言う千秋。
Aは、目の前の幸せが溢れないように瞳をそっと塞ぎ込んだ。
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5674C(プロフ) - Umiさん» 嬉しいです!ありがとうございます!! (2022年3月4日 10時) (レス) id: e6d0696709 (このIDを非表示/違反報告)
Umi(プロフ) - めっちゃキュンキュンしてしまいます(˶'ᵕ'˶) (2022年3月3日 16時) (レス) id: a9ba311e8f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:5674C | 作成日時:2021年11月17日 2時