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千秋の弁明が続く最中、奏汰は汗をかく千秋から視線を外し、壁伝いに上下に並んだ『こどもたち』を一瞥し目を細め、千秋に向かって屈託のない顔を見せた。
「__ふふ♪そういうことにしてあげます」
「へ?」
「ちあきはいま『じっかずまい』をしてるんですもんね。
ちあきままがじぶんのぶんの『おべんとう』をつくるついでに、ちあきのぶんもつくってくれたんですよね」
たびたびこんなことがあるって『まえ』から言ってましたもんね〜、と、誰かに言い聞かせるような話し方に、千秋は瞬きを繰り返し首を傾げる。
結局、千秋は自分の誤魔化しが良い方向に向いた、と都合の良いように思考を屈折し、胸を撫で下ろし始めた。
「そ、そうだ!はっはっは!分かってくれたか!果たして俺がそんなことを言ったことの記憶は定かではないが、そういうことだ!」
ゴリ押しとも言える対応に、奏汰はただただ微笑むだけだった。
「……いっこ『かし』をつくりましたね、ちあき」
『こどもたち』が姿を眩ませた後、奏汰は揶揄うように千秋にそう告げた。
「え?な、何の話だ!?」
「なんでもないです…♪」
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5674C(プロフ) - Umiさん» 嬉しいです!ありがとうございます!! (2022年3月4日 10時) (レス) id: e6d0696709 (このIDを非表示/違反報告)
Umi(プロフ) - めっちゃキュンキュンしてしまいます(˶'ᵕ'˶) (2022年3月3日 16時) (レス) id: a9ba311e8f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:5674C | 作成日時:2021年11月17日 2時