【あんスタ！！】仮面ヒーローの理想的彼女【守/沢/千/秋】 (ページ2)

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☆ ページ2

食卓を囲んだ椅子に座り朝食を食べていた千秋は、まるで一家の大黒柱のような口調で指摘をし始めた。

「みそ汁に、茄子が、入っている！」

Aは一度ぽかんとするがすぐに、微笑みで返していた。

「え、やだなぁ、今気づいたの？
言っとくけど、戻すのはダメだからね」

Aの言葉に千秋はぐぬぬ…と唸り、みそ汁が入ったお椀を掴む。
そして、Aの傍に立っている味噌汁の鍋へ歩み寄り、Aの真後ろにある鍋に手を伸ばそうとしたのだ。

瞬間、千秋の腕はAに掴まれる。

「ちょっと！ついさっき言ったばっかでしょ」

「くっ、離せ！茄子は邪道だ！体内に入れたら胃が溶けてしまう！」

「ふっ、邪道て…。
あのね…そんなわけない、体が喜ぶ食材よ、茄子は。
全くもう…ヒーローは子供たちの見本なんだから、いい加減好き嫌いはよしなさい！」

「いーいや！ヒーローにだって弱点はあるんだ！それが俺にとっての茄子だ！こいつは黒いしまさに悪の親玉だ！」

本気で言っているのか冗談で言っているか。この人の場合はその境目が分からない。分からないが、その分からなさ故に面白さが垣間みえてくる。

Aは密着してくる千秋の胸板を押さえ、体制を立て直し、一息をついてから冷静に声を発した。

「…じゃあ、親玉が弱点なのね？それってつまり、あなたは一生その親玉に勝つ術なしってこと？」

その言葉に千秋の耳がぴくりと動き、身体は固まった。