増えていく ページ7
とても嬉しい事が学校で起きた
今でも夢見心地だったが
家に帰るとそんな気持ちは
一切無くなる
持っていたらバレてしまうかも
しれない
姉様に迷惑を掛けてしまうかも
しれない
『ただいま…』
玄関には靴が一足しか無かった
母の物だ
俺は少し安心した
母からは虐待はされた事がない
安心だよね？
そんな事を考えていた自分が
バカだった
リビングに入ると
母が無言でこちらに歩いてきた
次の瞬間
バチィィン
頬をビンタしてきた
『は？』
母｢私もね。あなたを育てていると、自然とストレスが溜まっていくのよ。｣
ズンズンとこちらに歩いてくる
反抗しようとしたが
その姿が父に見えてしまった為
ただ怖がる自分がいた
『ﾋﾕｯ…』
母｢だから、ストレス発散させてくれるわよね？｣
バコッドゴッ
殴られ、蹴られ
父から虐待されるぐらい
同じぐらい痛かった
助けを呼びたかった
姉様を呼びたかった
あ…でも迷惑掛けちゃうからダメか
なら“俺は誰に頼れば良いんだ？”
体中に痛みがはしる
ヤバい…また意識が…飛ぶ
俺はまた意識を手放した
ーー
『うっッッ!』
また気を失っていたようだ
気を失うぐらいまで殴ってるのやめて
ほしいんだけど
抵抗できない自分が言えないか
そうだ…作りたくないけど…
あいつらのご飯作らなきゃ…
痛い体を無理矢理起こす
体中に激痛がはしる
これ…またアザ増えてんな…
バレないかな…怖ぇ
『いっっっつ』
痛い体を動かしながら
俺はご飯を作り
家事をした
終えた時の時間は3時だった
『ちょっと寝よ…おやすみ』
すぐに眠りに付けた
ーー
『はぁ』
思いため息をつく
朝早くから作っていた物は既に
無くなっていた
何も言わずに持ってくとか…
屑な親ですわ…
5時半
シャワーを浴びる
やっぱり体の所々にアザがあった
前よりも増えている
前の傷が治る前に
どんどん増えていってるから…
いつ治るんだよ…ったく
少し前にナイフで切られた
場所はまだ治っておらず
血がすこし滲み出てしまう
また包帯巻かなきゃ
洋服を着て
家を出る
『血…飲みたいな…』
最近は俺は血を飲んでいない
一年前ぐらいから飲んでない気がする
俺の体質？体で耐えられるのは
一年…
つまり
飢餓状態に少し陥っている
血肉を喰らわない代わりに
血を飲むつもりが…
最近飲んでねぇわ
まず人から貰えない…
このままだと俺…
『死ぬ…かもな』
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作者名：kuromike | 作成日時：2021年2月25日 19時
