大切な人達の幸せを……3.5【wrwrd!】 (ページ41)

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自分自身にしか出来ない事ページ41

姉様から話を聞いた以降
学校で姉様を目を追ってしまう

話を聞く前よりも目で追っていた

姉様から血を貰ったおかげで
最低1年は耐えられるようになった

けど、体に多少違和感が残ったままだった

廊下を歩きながらそんなことを考えていると

??｢あ、君ちょっと｣ｶﾞｼｯ

『ふぁえ？』

いきなり声を掛けられた上、手首を掴まれたので変な言葉になってしまった

『！(兄さん！)』

ni｢君って確か…グレースの弟？｣

『あ…はい。そうです』

ni｢グルッペン達からは少し話を聞いたが…前世だとレイナなんだよな？｣

『あ、っと』

グルッペン達…

『まぁ、そうだよ。兄さん。久しぶり』ﾆｺｯ

ni｢久しぶりだね。A｣

『いちよう、名前はA・レイアだよ』

ni｢いちよう聞いたことはある。屋上に行かないか？話をしたい｣

『？うん。分かった』

俺は兄さんと一緒に屋上に向かった

今日は少し曇っていて
陽光は差していなかった

『それで…話って？』

恐る恐る兄さんに聞く
防止柵の向こうを見ていた
兄さんが口を開く

ni｢グレースの…｣

『！！』

ni｢グレースの命がもう長くないって聞いてるか？｣

『…うん』

その言葉を聞いただけで
涙が零れ落ちそうになる

我慢…我慢

『兄さんも…聞いてたんだ』

ni｢うん…ぺ神から聞いた｣

『そっかぁ…』

ni｢…しんどいよな｣

『…？』

ni｢前世もグレースがあんな思いをして、転生後はそんなことはないだろうと思っていたでしょ？｣

『！』

ni｢世の中って酷いよね。不公平だと俺は思ってる｣

『う…ん』

自然とまた涙が溢れだしていた
人の前で泣いているところを見せたくないのに
必死に拭って止めようとするも
止まらなかった

涙は溢れるばかり

『…ｳｯ…ﾋｯ』

ni｢…｣ｷﾞｭｯ

兄さんは黙ったまま
俺のことを抱きしめてくれた

ni｢急に話してごめんな｣

『ううん…いいのｯ』

ni｢過ぎてしまった時間は巻き戻せない。世の中は不公平…嫌なことだらけだけど自分自身が出来ることをして精一杯生きたり、支えたらいいんじゃないかな｣

『う…んｯ』

ni｢俺もグレースの傍にいれることしか出来ない。もっと力になりたいと思ってるけどそんなことしか出来ない。でも兄弟であるAには俺とは少し違う事が出来るんじゃないか？｣

『！…そうかもな…』

『俺、頑張るから』

ni｢頑張れよ…応援してるからな｣

そう言って頭を優しく撫でてくれた