儚い恋【wrwrd!】【sho】 (ページ23)

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４月９日　【syp.ci side】ページ23

ci side

ふと、屋上で立ち尽くし
外を眺めながらあの人のことを
考える。

ci｢……、｣

ーー

『私…生まれたときから心臓が悪くて…持病持ちなんだよね…でもこうして普通に過ごせてるし!!』

ーー

昔からそうや。Aは。
自分ではもちろん理解してるのに
一人で溜め込んで無理して。

それなのに

ーー

『ん？大丈夫だよ？』

『私は何ともないけど…』

ーー

へにゃっと笑い誤魔化す。
そんなことが多かったやろ…っ。

俺らに隠してることあるんなら
早く言ってくれよ…。

後悔しか残らないかもしれないんやで…
まだ言ってくれた方が俺達だって支えやすいし
助け合える。

お願いやからA

｢早く…教えてくれ｣(｢俺達をもっと頼れ｣)

じゃないとみんなが
崩れて、泣いて、ぶつかり合って

そんな仲になってまうかも
しれへんから…。

今、一番。
Aのことを気にしてて
でも教えてくれなくて悲しんでる。

少しずつやけど
自分を責め始めてるのは

シャオさんやで。

ー☆ー

syp side

モフモフのピコを触りながら
ベランダの手摺りに座り外を眺める。

今の天気は俺の心情を完全に
無視しているかのように快晴の青空だった。

｢にゃぉ～ん…？｣

syp｢ピコ…俺は大丈夫や。ありがとう｣

ピコの頭を撫でながら言う。

ピコは撫でると目を瞑って
喜ぶはずなのに全然目を瞑る様子が
見えない。…なのに

俺の様子を伺うように
綺麗なビー玉みたいな瞳を俺に向けていた。

syp｢…俺の考えは筒抜けなんかな｣

俺の頭の中にあるのはAのこと。

いつも思い浮かぶのはAの笑顔。
でも何処か作り笑顔に見えるのは気のせいか。

俺やって、他のみんなやって
辛い思いは幾らでもしてるはず。

やけど、Aが経験している
辛い思いは俺らが感じてる｢辛い｣
より格段に辛いだろうなって思ってる。

人それぞれに思うだろうけど
Aはその人それぞれとは少し違くて
自分の｢辛い｣思いってのは凄い通りこうして
いるというか。

とにかく、Aは誰よりも
辛い思いをしてるということ。

それを誰にも打ち明けず
一人で溜め込む。

それで限界を超える。

A、俺らに隠してること
あるんやろ？きっと。

いつか、いつか、いつか。
手遅れになる前に打ち明けてな。