儚い恋【wrwrd!】【sho】 (ページ17)

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４月４日ページ17

sn｢Aちゃん｣

ほわほわした温かい声をした
ぺ神先生の声がした。

私は後ろを振り返る。
そこには心配そうな顔をしている
ぺ神先生がいた。

口元は微笑んでいるんだけど
瞳はどうしても笑っていない。
そんな様子。

『…ぺ神先生』

ずきっ

sn｢…少しお話をしよう。僕の部屋においで｣

言われるがままに私は
ぺ神先生のあとについていった。

ずきっ

ーー

部屋につくなり辺りを見回す。
二人ほど座れそうなソファーが
置かれていてあとは最小限の家具。

小さな植物や花も置かれている。

sn｢そこのソファーに座っていいよ。紅茶だすね｣

『ありがとうございます』

私は楽しく過ごしているけど
やっぱりぺ神先生には迷惑をかけている。

夢は叶えられたから
帰る(入院)という選択の方がいいのかも
しれない。

私は服の端をぎゅと掴む。

ポスンと隣で音がする。

sn｢どうぞ。｣

『…ありがとうございます…』

sn｢敬語だなんてAちゃんらしくないよw｣

『っ』

無理して笑わなくていいのに。
私が悪いんだから。

『ぺ神先生…私、夢叶えられたから、入院の日々に戻った方がいいよね？』

sn｢……｣

私はティーカップを両手で持ち
そのまま下に俯く。

sn｢……その方が本当はいいよ。でもAちゃんの夢は叶えられたとしてもまだ終わってないと思う。僕は｣

『……？終わってない？』

sn｢本当は体の事を考えて入院の日々を過ごした方がいい。けど入院したらもう、きっとシャオロンには会えない。｣

『っうん』

sn｢きっと頭痛とかも起こり始めてるんでしょ？｣

『うっ……』

sn｢昔からAちゃんの傍にいたからね。可笑しいことにはすぐに気付くよw｣

『心まで読まれてる…』

sn｢余命宣告もそんなに長くない。多分このままだと容態も悪化しだす。そんな中でAちゃんはどうしたい？｣

私は…彼の傍にいたい。
想いを伝えないとしても。

『命が尽きるまで彼と一緒にいたい』

sn｢…まぁそう言うと思った。…もしそうするとしたら今の容体じゃ週に3回、残り2週間を切ったら残念だけど夜は絶対に病院に行くことにしよう｣

『分かった。この事はグルッペンさん達には…？』

sn｢…その事には僕は口を出さない。Aちゃんの考え次第｣

私の願いを受け止め
叶えようとしてくれるぺ神先生には
本当に感謝しかない