182大人になって一喜一憂篇 ページ15
￣￣￣￣￣￣
￣￣￣￣￣
《ｸｰｯ…ｸｰｯ……》
貴「………………っ…………………んっ………ｯｯ………」
何処からか聞こえる、カモメの鳴き声──
うっすらと匂う潮の匂い────
辺りからは板の軋む
ｷﾞｰｯｷﾞｰｯという音が聴こえ
私は目を覚ました
見慣れない天井と部屋
そして
柔らかく太陽の匂いでいっぱいのベッド
ベッドの近くには
円乗で小さなガラス張りの小窓
そこから見えるのは、青い空
貴「……ｯ」
身体を起きあげると
寝起きだからか、身体が重い
というより、体重が増えたようにも感じる
辺りを見渡すと
きっちりと整理された部屋で私は寝かされていた
貴「………………………………あれ………？」
私は自分の着ている服が目に入り
そちらに顔を向けると
思わず首を傾げてしまった
服が濡れていない
そして
貴「…………私、こんな服持ってたっけ？」
今私が着ているのは
着なれたタンクトップではなく
おしゃれで、綺麗で
マキノさんのプレゼントしてくれる服とは
また違ったものだった
更に不自然な点がもう１つ
貴「なに……これ…」
私の目に映る
腕や手、そして胸は大きくなっていて
ネックレスにしていたはずの
サボから贈られた指輪は
私の指にはめられていた
貴「……????」
私の脳裏はクエスチョンマークでいっぱいだ
ふと顔をあげると、
部屋の端に姿見があるのが見えて
私はベッドから抜け出した
《ｸﾞﾗｯ…》
貴「うえっ…?!」
ベッドから抜け出し、立ち上がったとたん
身体の重さで身体が後ろに傾いた
貴「…………っ」
身体が傾いたとたんに
自分の膝から足先までが目に飛び込んできた
腕や胸と同様に
足も大きくなっていた
貴「……」
嫌な予感がした
私は静かに立ち上がり
ゆっくりと歩き
自分の姿が姿見に映し出されたとたん
まるで、夢でもみているような感覚に襲われた
その姿見に映ったのは
髪は黒く短く、目はパッチリしていて
頬にはそばかすが散らばり
背が高くて
スタイルのいい女性だった
貴「………………誰？」
私が喋れば、鏡の中の女性も喋る
私が首を傾げれば、鏡の中の女性も首を傾げる
この状況を理解できないほど
私はバカじゃなかった
貴「……私…………？」
そっと鏡に触れると、鏡の中の私も鏡に触れた
日頃から、エースにバカと罵られる私も
このときだけは
いっそのこと状況を理解できないほど
バカになりたいと思ってしまった
183大人になって一喜一憂篇→←181大人になって一喜一憂篇
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 298人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
時雨(プロフ) - タヌポンさん» わ、私のファンだなんて!!光栄です！ありがとうございます!!私の絵なんてまだまだです…もっと頑張ります!!!マルコのよいは私も好きです!! (2018年12月19日 20時) (
レス) id: e140a3bba5 (このIDを非表示/違反報告)
タヌポン - 初めまして！時雨さんのファンです！絵がとてもお上手でビックリさせられてばかりです！マルコのよいよいって言っているのが可愛いです！ (2018年12月19日 20時) (レス) id: 95e2f45502 (このIDを非表示/違反報告)
時雨(プロフ) - Sakiさん» 見直してみました！バスケットですね！ごめんなさい！誤字です!!すぐ書き直します！(汗 (2018年12月1日 14時) (レス) id: e140a3bba5 (このIDを非表示/違反報告)
Saki(プロフ) - ビスケット？バスケット出なくビスケット？これは誤字ですか？ (2018年12月1日 14時) (レス) id: 0778e26687 (このIDを非表示/違反報告)
時雨(プロフ) - -Rei- レイ（絶賛低浮上中）さん» はい、ありがとうございます！ (2018年10月8日 21時) (レス) id: e140a3bba5 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：時雨 | 作成日時：2018年8月16日 10時
