虎 に 翼

雄 弁 は 銀 沈 黙 は 金 ページ6

「……トラ、禿げた？」

「…はァ？禿げたわけないやろが！！！髪切ったんや！！アホ！」

祐希の禿げた発言からぎゃんぎゃん噛み付くトラ。今日も元気いっぱいだな。

オフ明けの今日、トラは髪を切って現れた。

「これでもう女の子に間違われないね。」

「言うな、口を開くな、イシカワユーキ」

この前のサポーターとの交流会時のトラの髪型は、伸びきった前髪をちょんまげにしていた。その姿は見方によってはショートカットの女の子にも見えたようで…

「虎上選手は、女の子ですか？」

なんて、小学生くらいの女の子に質問されていた。

勿論、祐希は永遠とその事をネタにして瞬く間に他のメンバーにも伝わっていった。

あの時の質問を、トラが気にしていたか気にしていなかってたかは、今の髪型を見ればわかることで。

今まで髪を切っても多少短くするくらいだったトラ

だが、今回はチョコ色でクルクルな髪の毛は少し短くなり、ツーブロック、つまり両サイドは綺麗に剃られていた。

確かに、これなら間違われないな、なんて口に出したらトラに怒られるだろうから、言わないけど。

「…トラ、いいと思うぞ」

「マサさん…やっぱマサさんは大人やな…あのバカ犬とはちゃうわ…」

「いや、絶対マサさんもこれで間違われないなって思ったでしょ！！！」

「……んなことねえよ」

「なんや今の間！！マサさんまで！！みんなひどいわホンマ！」

黙ってれば、カッコイイんじゃない？トラも

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