貴方のそばで【TREASURE】 (ページ15)

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ep.10 ページ15

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早速今日から歌詞を考えるようにマネージャーからの指示があり、わたしたちは朝光の部屋へ向かう。

A「……。」

ｱｻﾋ「……。」

お互い無言のまま廊下を歩いていく。
その静けさにわたしたちの足音がとても耳に響く。

A『……ねぇ朝光。』

ｱｻﾋ『なに。』

このままだと仕事に支障をきたすと思い呼びかけると朝光はこっちを見ることもなく素っ気なく返事をする。

やっぱり怒ってるなこれ。

A『わたし朝光になにかした？』

意をけして尋ねると朝光は前を向いたままなにも言わない。

A『ね〜無視しないでよ。』

ｱｻﾋ『……はぁ、分かってへんな、なにも。』

A『え？』

ほんとに意識してないと聞こえないくらいの声量で言うからなにも聞き取れなかったわたし。

A『ごめん聞こえなかった。なんて？』

朝光はでかいため息をつく。

ｱｻﾋ『昨日あの後会社戻ったんやな。』

A『え？あ、うん。フリ完璧にしておきたくて。』

ｱｻﾋ『……ジフニヒョンと練習したん？』

A『オッパは見守ってくれてた。』

それとこれと話がどう関係あるの？
朝光の質問に答えながらもハテナを浮かべるわたしに朝光はやっとこっちを見た。

ｱｻﾋ『はぁ、そーゆうとこやで。』

……え？

ｱｻﾋ『言ってくれれば俺も付き合ったんやけど。っていうかAあの時すぐ寝る言うてたよな？』

A『あ、……、』

しまった。

そーいえば昨日はあの後さすがに会社戻るって言いづらくて3人に嘘ついちゃったんだった。

ｱｻﾋ『ほんま嘘つきやん。』

A『ごめん。3人に付き合ってもらうのはさすがに迷惑やろって思って嘘ついた、ほんまごめん。』

ｱｻﾋ『でもよかったな、ジフニヒョンと一緒におれて。』

A『え？』

さっきからなんでジフニオッパのこと……？

朝光はまた大っきいため息をついて、わたしを呆れた目つきで見下ろした。

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