いちごみるく (ページ18)

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とはいったものの、いざ本人を目の前にすると勢いなんてどっかにいき世間話をただするだけ。

頑張れ！やる時はやる男ブスングァン！

なんて自分に暗示をかけてまずは男らしいところを見せよう作戦に移ることにした。

ほんとかどうかは怪しいが、ウォヌヒョン曰く奢るといい人だって思われるって。(ホシヒョンが隣でそれは都合のいい人な？とか言ってたけど)

だから初心者の僕はまず奢るところからしようと思う。

｢A、お腹空かない？なんか奢るよ｣

『え、いいの！？わーい！奢って！』

目をキラキラさせるA。

スングァナが食べ物奢るなんて珍しい～とか一言余計なことを言った気もするが聞かなかったことにしよう。

結局アイスを奢り、その帰り

僕の方向とAの方向の分かれ道、

いつもは人通りの少ない曲がり角をAが曲がろうとした時

｢あ、危ないっ｣

すごいスピードで前の道路をバイクが通り過ぎていった。

音に敏感な僕は反射的に手を引っ張ってこっち側の道に引き入れる。

そうすると自然に抱きしめる形になるわけで。

しばらくバイクにびっくりしてそのままだったけどお互い我に返ってバッ！とマンガに出てきそうなほどオーバーに離れる。

『ちょ、びっくりした……あ、ありがとスングァナ』

口ではありがとうと言ってるものの目を合わせないA

え、あれ、俺やらかした？そう思って僕からそらした顔を少し覗き込むと見事に真っ赤

｢え、Aめっちゃ赤いけど｣

『う、うるさいいい！スングァナも充分赤いですー！リンゴみたいですけど！？』

照れてるのか怒ってるのかすごい速さで話すけど迫力がない。可愛い

今そんなことを口走るとやっかいなことになりそうなのでやめとくけど、抑えようとしても僕の口角は下がることを知らないらしい。

意図せず成功した(っぽい)このプロジェクト

これは脈アリかな？なんてたまには自惚れるのもいいよね？

そう思いながらまだ何か言ってるAを見ながら心の中で誓った

(これからも仕掛けるぞ覚悟しろ！)