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104. ページ9

ノゼルSide



A「もし、ノゼル団長の事だったらどうしますか?…なーんて!」


そう言って笑う彼女。


そんなの…嬉しいに決まっておるというのに。


私は素直じゃないから、


こうやって、何も言えないのだ。


A「さ、私はそろそろ帰ります!」


悲しそうにそう笑って席を立つAに、私は胸が痛んだ。


A「お邪魔しました」


違うのだ、私は…、


ノゼル「待て」


そう言うが、Aは聞こえていないのかそのまま部屋を出て行ってしまった。


ノゼル「っ…」


私は席を立ち、Aを追いかける。


…ふん、柄じゃないな。


ノゼル「A」


彼女の背中を見つけて、私は名前を呼ぶ。


ゆっくりと振り返る彼女。


思わず見惚れてしまう程、儚くて、綺麗で。


私はゆっくりとAへと近付く。


A「どうかされました?ノゼル団長」


首を傾げて笑って問うお前が、こんなにも…


ノゼル「そのピアスだが」


…愛おしい。


A「あ、ノゼル団長がくれたこれですね!大事に身に付けてます!」


私はAの右耳に触れる。


ビクッと肩を揺らすAだったが、


A「あ、あの」


顔を赤くして俯いてて。


ノゼル「そのピアスは、」


不器用で素直じゃないが、


ノゼル「私が一番大事に思った女性に贈ると決めていた」


今はこれを言うのが精一杯で。


A「え…」

ノゼル「二度は言わん」


今まで感じたことも無い羞恥が襲ってきて、私は背中を向けてしまう。


A「ノゼル団長」


私の背中をぎゅっと握ったのが感覚で分かった。


A「ありがとうございます…。嬉しいです」


コテン、と私の背中に頭を預けてきた彼女に、


ノゼル「っ…」


私の鼓動が速くなる。


…こんなにも幸せでいいのだろうかと思わせる程に、今の私は今までで一番幸せだった。

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なぎ - めっちゃ良いです(´∀`*) (2019年6月11日 12時) (レス) id: 2c3bf4091e (このIDを非表示/違反報告)
れぃち(プロフ) - 恋歌さん» ありがとうございます!グダグダでお恥ずかしい文面ばかりですがそう言って貰えて嬉しいです!番外編作れたら作りたいなとは考えております! (2019年3月26日 14時) (レス) id: 86e20c10f6 (このIDを非表示/違反報告)
れぃち(プロフ) - ウォルさん» いつもコメントありがとうございます!これからも何卒よろしくお願いします! (2019年3月26日 14時) (レス) id: 86e20c10f6 (このIDを非表示/違反報告)
れぃち(プロフ) - 刹那さん» ありがとうございます!!!嬉しいです! (2019年3月26日 14時) (レス) id: 86e20c10f6 (このIDを非表示/違反報告)
恋歌(プロフ) - 何回も最初から読み直してます!もちろん一番右の星押させてもらってます!毎日ドキドキです。続編も頑張ってください!一つ質問なんですが番外編?短編?とかってやらないんですかね?ただ気になっただけなのでこれは無視して大丈夫です!これからも応援してます (2019年3月25日 23時) (レス) id: 51f8eec8e8 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:れぃち | 作成日時:2019年3月19日 14時

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