【ブラクロ】Cherry Blossom (ページ2)

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Cherry Blossom 1 ページ2

A「お父さん」

私は純白のマントと桜色の髪を揺らしながら、お父さん___…魔法帝ユリウス・ノヴァクロノを見る。

小さい頃、私を拾ってくれて以来、ずっと私の面倒をみてくれた方だ。

『お父さんと呼んで欲しい』と言われてから私はお父さんと呼んでいる為、今はこれが普通だ。

ユリウス「どうしたんだい？」

今日は、魔法騎士団入団試験。

なんとしてでも、今回こそは私も見に行きたいと思い声をかけたが、

ユリウス「A。入団試験を見に行きたいんだろう？」

お父さんにはお見通しだったみたいで。

…やっぱりダメかしらね。

ユリウス「Aの存在がバレてしまうと、他の男共が騒がしくなるのが心配で心配でっ！！」

そう言って大袈裟に泣くふりをする。

いつもいつも、お父さんはそれしか言わない。

A「私だってもう成人して立派な大人なんです！」

そう、私は先月成人を迎えたのだ。

自分おめでとう。

マルクス「そうですよ、魔法帝。Aはもう大人なんですから、過保護のままではAのタメになりませんよ」

側で見守っていたマルクスさんも加勢してくれて。

お父さんは寂しそうに眉を下げたが、

ユリウス「そうだよね～…。お父さん寂しいなぁ…」

でもどこか嬉しそうで。

A「お父さんに心配かけないようにするから！お願いします！」

私は頭を思いっ切り下げる。

ユリウス「ちょ、A！？」

お父さんはそんな私を見て慌てふためいている。

何だかそれが面白い。

ユリウス「いいよ！いいから頭上げて！」

A「本当！？」

ユリウス「…しまった」

お父さん、前言撤回なんて言わせないからね。

A「それじゃあ早速行ってきます！」

マントを翻して、私はお父さんに背を向ける。

マルクス「あまりはしゃぎ過ぎてはいけませんよ？」

マルクスさんが私の頭を撫でてそう微笑む。

何だかんだ言って、マルクスさんが一番子供扱いしてくるような…。

A「分かってます！」

私は少し頬を膨らませて返事をする。

もうお父さんやマルクスさんになるべくお世話にならないように、自立しないと。

そう思いながら、私は扉を開け、入団試験の会場へと向かった。