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『確か…ここにあったはずだが…あぁ、これだ────あっ…』
着物が引っ掛かり、登っていた梯子からズルりと落ちる。
しかし、いつまで経っても痛みはやってこない。
『…？羽？』
私を支えていたのは、数枚の赤い羽だった。
ホ「大丈夫です？」
『あぁ…助かった。』
ゆっくりと地面に降ろされる。
『羽、かなり回復してきたな。』
ホ「そうですね。Aさんが言った通り、ここにいると通常より回復が早いみたいです。」
『ここを巣立ちするのも後少しだな。』
ホ「巣立ちって…俺は雛か何かですか？」
『鳥であることに変わりはないだろ。』
ホ「まぁ…確かに？」
彼とこんな会話をするのも…後どれくらいだろうか。
ホ「寂しいですか？」
『…妾は元々一人で生きてきたからな。これくらいの事で寂しくはならない。』
そう言って蔵を後にした。
ホ「元々一人…か…」
.
『良い月夜だな。』
いつも通り島の結界の状況を確認し、月を見上げる。
ホ「お隣良いですか？」
『…お前、飛べるのか。』
ホ「これくらいの距離なら大丈夫ですよ。」
そして、彼は私の隣へ座った。
『…やる。』
ホ「え、ありがとうございます！」
私は持っていた饅頭を一つ彼に渡した。
ホ「ん！美味しいですね。この饅頭。」
『だろう？町にある和菓子屋の饅頭だ。』
それから一瞬にして饅頭を食べ終えた彼。
ホ「そういえば、Aさんって何歳なんです？」
『そうだな…まぁ、お前よりは年上だな。』
まぁ、年上というレベルではないのだが…
ホ「俺より年上…」
『あぁ。隠すことでもないし…言っても良いが…』
すると、教えて欲しいと言わんばかりにこちらを見つめてくる彼。
『まぁ…正確には分からないが、100年以上は生きている。』
ホ「100年以上？！」
驚いて当然だろう。
100年以上生きる人間なんていないのだから。
『妾は一体何歳なんだろうな。200歳以上の可能性だってあるかもしれない。』
ホ「個性が影響している…って事ですよね？」
『そうだな。妾の個性は“土地神”だ。故に、この島自体が妾の個性によって作られている。』
ホ「…もし、Aさんに何かあったら…この島は…」
『無くなるだろうな。沈むか、崩壊するか…どうなるかは妾にも分からない。』
個性の影響で長寿しているが、人間であることに変わりはないのだ。いつ死んだっておかしくない。
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Mugino(プロフ) - 黒☆闇ＡＵしか勝たん☆(別垢バージョン)さん» コメントありがとうございます❗こちらこそ私の作品を読んでくださりありがとうございます😭✨️頑張った甲斐があります🥺これからも精進して参ります💪🔥 (7月2日 23時) (
レス) id: 8563ed1f80 (このIDを非表示/違反報告)
黒☆闇ＡＵしか勝たん☆(別垢バージョン)(プロフ) - とても面白かったです！！こんな素敵な作品に会えて感動しました！！素敵な作品をありがとうございます (7月2日 16時) (レス) @page50 id: 5c5a18c56d (このIDを非表示/違反報告)
Mugino(プロフ) - 桃華さん» コメントありがとうございます！こちらこそ、この作品と出会って頂きありがとうございます！とっても嬉しいです🥰 (2022年11月2日 19時) (レス) id: 8563ed1f80 (このIDを非表示/違反報告)
桃華 - 神作品過ぎて…！！😭素敵なお話を生み出して下さってありがとうございますっっ！！！ (2022年11月2日 16時) (レス) @page50 id: cf0912901f (このIDを非表示/違反報告)
Mugino(プロフ) - お菓子さん» 喜んで貰えて良かったです〜！ありがとうございますぅぅぅ！！(｀；ω；´) (2022年10月9日 18時) (レス) id: 8563ed1f80 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Mugino | 作成日時：2022年3月3日 3時
