5 ページ6
『どうした。』
「息子が高熱を出してｯ…意識がないんですｯ…！」
母親はぐったりとした息子を抱いてパニックになっていた。
『落ち着け。大丈夫。ホークス！布団は用意できてるか！』
ホ「できてますよ！」
母親から小さな少年を受け取り、布団へ寝かせた。
『ホークス、母親を押さえていてくれ。』
私は少年の傍に座り、印を結ぶ。
『──────────ｯ…！』
呪文を唱え、手を少年の胸の辺りにかざした。
少年は苦しそうにもがく。
「ｯ…？！土地神様！？何をｯ…？！」
ホ「駄目です！動かないで下さいｯ！」
次の瞬間、少年の胸辺りから黒い靄のようなものが出てきた。
そして、その靄は私の体へ入っていく。
「い、今のは…」
少年は規則正しい呼吸に戻り、顔色も良くなっていた。
『もう大丈夫だ。』
「ｯ…！ありがとうございますｯ…！！」
母親は息子を抱き締め、涙を流す。
『もうじき目を覚ますだろう。目を覚ましたら何か食べ物を食べさせてやってくれ。この様子じゃ、ここ数日は何も口にしていないだろう。』
「はいｯ…！本当にありがとうございましたｯ…！！」
そして、母親は息子を抱いて神社を後にした。
ホ「Aさん、さっきのは──────ｯ…？！Aさん？！」
私はその場に倒れた…いや、倒れそうになった所をギリギリで彼が支えてくれた。
『悪い…少し……眠る…』
ホ「Aさんｯ…！」
私の意識はそこで途切れた。
.
『ん…』
ホ「Aさんｯ…！」
目を覚ますと心配そうな表情のホークスが目の前にいた。
『…近い。』
ホ「あ、すみません。」
上体を起こし、グッと背伸びをする。
『驚かせて悪かったな。』
ホ「ほんと…驚きましたよ…」
『あれは対象の者の中にある悪気を払う術のようなものだ。そしてこの術を使う代償としてその悪気が自分に入ってくるんだ。』
ホ「それで…意識が無くなる…ってことですか？」
『あぁ。軽い時は一日、かなりヤバイ時は二、三日眠るな。』
ホ「大丈夫なんですか？それ。」
『眠る事で体内で除去してるんだ。問題ない。』
良かったと安心する彼。
しかし、私は一つ気になることがあった。
お面を取られていないかだ。
お面を付けているのに深い意味はない。
母の形見であること。
それと、何かを間に挟んでいないと私は“見えすぎる”のだ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 267人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ヒロアカ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
Mugino(プロフ) - 黒☆闇ＡＵしか勝たん☆(別垢バージョン)さん» コメントありがとうございます❗こちらこそ私の作品を読んでくださりありがとうございます😭✨️頑張った甲斐があります🥺これからも精進して参ります💪🔥 (7月2日 23時) (
レス) id: 8563ed1f80 (このIDを非表示/違反報告)
黒☆闇ＡＵしか勝たん☆(別垢バージョン)(プロフ) - とても面白かったです！！こんな素敵な作品に会えて感動しました！！素敵な作品をありがとうございます (7月2日 16時) (レス) @page50 id: 5c5a18c56d (このIDを非表示/違反報告)
Mugino(プロフ) - 桃華さん» コメントありがとうございます！こちらこそ、この作品と出会って頂きありがとうございます！とっても嬉しいです🥰 (2022年11月2日 19時) (レス) id: 8563ed1f80 (このIDを非表示/違反報告)
桃華 - 神作品過ぎて…！！😭素敵なお話を生み出して下さってありがとうございますっっ！！！ (2022年11月2日 16時) (レス) @page50 id: cf0912901f (このIDを非表示/違反報告)
Mugino(プロフ) - お菓子さん» 喜んで貰えて良かったです〜！ありがとうございますぅぅぅ！！(｀；ω；´) (2022年10月9日 18時) (レス) id: 8563ed1f80 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：Mugino | 作成日時：2022年3月3日 3時
