story-14 ページ7
そんなある日、私はある本を見つけた。
セラ『海賊パピーの冒険?』
見るからにお子様用の絵本だ。
名前もふざけてる。
妹や弟に読ませるのに丁度いいだろうと、冒頭部分だけ読んでみる
おもしろい。
言葉や絵は子供用なのに、話の内容はとても深かった。
主人公のパピーが、海賊の仲間となり、いろんな島々を冒険するという話なのだが、仲間との友情や、出会った人たちの優しさなどに、なぜか熱中してしまう。
その本は、ものの数分で読み終わってしまった
─…海賊。
それは私にとって、とても興味のあるものだった。
もし本当にいるのなら、会ってみたい。会って私もパピーのように島々を冒険してみたい。
それは無理だが、せめて話でも聞きたい。
その事が一日ずっと頭にこびり付いていた。
その日の夜。
私はこっそり部屋から抜け出し、タンバルンの海域へと向かう。
というのも、昼間、海賊について調べていると、タンバルン王国にも海賊はいるということが判明した。
こんなチャンス滅多にないと思い、すぐに準備をした。
道は月のおかげで明るい。
まるで、行ってこいと言っているかのようだ。
馬に乗り、森の木々の間を駆け抜ける。
この森を抜ければ海へと繋がっている。
前に前に進むごとに私の心も前へと進んでいく。
馬に急ブレーキがかかる。
何かと思えば、そこはもう海で、遠くに大きな船が見える。
セラ『!海賊船!!』
絵本と同じ、大きな帆に、大砲。
間違いない、海賊船だ!
これまでにない程に感情が高ぶり、月に向かって叫んだ。
船にもっと近づこうと馬を走らる。
これからどんな未来が待っているのだろうと、今の私は楽しみで仕方がなかった。
─────────────────────
男A「お頭!!岸に変な女がいます!」
女頭「あげてやりな、金になりそうなもんがあったらぶんどるよ」
男B「わかりました!」
セラ『おぉーい!!!!』
腕を大きく振り、飛び跳ねる。
すると、船の方向がこちらに向き、ゆっくりと近づいてくる。
セラ『やったー!!』
本物の海賊に会えると思うと嬉しくて、また飛び跳ねた。
馬を木に繋ぎ、岸でゆっくりと来る船を待つ。
波の音、月の光、木々のざわめき…、全てが美しく思えた。
船が岸にたどり着き、ついにその時がきた
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ユイカ(プロフ) - とても面白いですね!ファンになりました!更新頑張ってください! (2020年6月26日 17時) (レス) id: b470749ec2 (このIDを非表示/違反報告)
神楽 - めっちゃ面白いですね!!好きです!更新頑張って下さい!!楽しみにしてます (2019年1月22日 22時) (レス) id: 0384dad94b (このIDを非表示/違反報告)
ハルハル☆(プロフ) - サクラさん» 大ファンだなんて!ありがたいお言葉ありがうございますー!。゚(゚^ω^゚)゚。 (2017年10月17日 16時) (レス) id: 5cd1bf599d (このIDを非表示/違反報告)
ハルハル☆(プロフ) - まりねえさん» ありがとうございます!m(*_ _)m (2017年10月17日 16時) (レス) id: 5cd1bf599d (このIDを非表示/違反報告)
サクラ - ハルハル☆さんの大ファンです! 更新頑張ってください! 待ってます! (2017年6月17日 13時) (レス) id: 548bac4832 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ハルハル☆ | 作成日時:2017年3月12日 23時