33 （最終話） ページ34
その時だった、後ろから雪玉を投げられる。
今は雪合戦っていうテンションじゃないんだけど…
少しイラッとしながら後ろを向く。
「草川！？」
「俺への罪悪感とかいらないって言ってんだろ、バカ」
ホテル内で寝ていたはずの草川がいた。
草「お前、船津が好きじゃなかったの？」
船津がいる前でペラペラ話す草川。
草「俺のせいで好きな人が幸せになれないとか振られるよりキツいわー」
「私は草川のこと思って…！」
草「罪悪感とかいらないって、な？いい加減、素直になりな」
気づいたら船津が私の手を握っていた。
素直になってもいいのかな…？
「船津ごめん、私も好き…」
そう言えば、更に強く手を握られて
「言うの遅ぇよ」
そう言って笑う。
そんな私達を見て、草川も笑っていて
盗み見していた福田と村田もやっとくっついたー？なんて言って笑ってた。
こんなに幸せになっていいのかな、そう思ったけどみんなの顔は今までで一番キラキラしてた。
「あ、雪」
また雪が降っていた。
いつもは冷たいただの雪なのに、今日は雪さえもあったかい気がした。
船「…そういえば佐野を好きになった日も雪降ってたな…」
雪を見ながら小さく呟く船津。
「私も船津をかっこいいって意識し始めた日に雪降ってた」
もしかしたら全部、雪の魔法だったのかもしれない。
もし、魔法でもあなたを好きになって良かった。
幸せをありがとう。
end
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作者名：りんご | 作者ホームページ：@redapple0214
作成日時：2016年1月25日 20時
