Winter Magic (ページ32)

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昨日の気まずさが嘘みたい。

福田と村田だから笑えてるのかもしれない。

それでもいい。

船津が好きって気付けたからこれでいい。

船津には言わないでおくよ。

もう、みんなを壊したくない。

「Aー！！スキーやろー！！」

雪合戦をしてしばらく経ってから、福田が大声で呼ぶ。

福「スキー大丈夫？滑れる？」

「大丈夫だと思うと。…あれ村田は？」

福「ユーキならとっくに滑り始めてるよ」

福田が指差す方を見れば、楽しそうに雪の上を滑れる村田。

福田も村田のようにスイスイ滑っていく。

私も滑ろうとしたら突然、ポケットに入れていたスマホが振動する。

…草川だ

出にくい…

でもなにかあったのかも。

思い切って通話をタッチする。

「もしもし…？」

草「…俺への罪悪感とかいらないからな」

そう言って一方的に切られる。

…は？？

不思議すぎる電話に呆然とする。

そのぼーっとしている間に誰かに背中を押されて視界が真っ暗になる。

…冷たい。

危ないでしょ！文句を言ってやろうかと顔をあげたら

「ごめん、立てる？」

そう言って笑う船津がいた。

今日、何度目を見て欲しいと思っただろうか。

今日、何度一緒にいたかったと思っただろうか。

そんな風に思った船津が目の前にいて、夢を見ている気分だった。