14（リョウガside） ページ15
「前の2人見てどう思う？」
リフトに乗るといつもと違って真面目な顔でそんなことを言うユースケ。
前には佐野の頬をつまんでいるタクヤと痛い痛いと騒いでいる佐野が座っている。
「別に…どうも思わないけど？」
気持ちとは反対の言葉が出てくる。
なんとも思わないわけない。
正直、行きのノリで帰りも佐野の隣に座れると思っていた。
だからちょっと…いや、かなり隣が俺じゃなくて悔しい。
そんな俺を見てユースケは
「本当、リョウガは嘘つくの下手だよね」
なんて笑う。
ユ「本当は隣に座りたくてうずうずしてるんじゃないの？」
こいつは馬鹿だけど変なところで鋭い。
ユ「実は僕もAが好きなんだよねー、だからリョウガの気持ち分かっちゃうの」
「は！？」
ユースケが佐野を好きだなんて聞いてない。
ユ「ま、嘘だけどねー」
少し安心している自分がいた。
ユ「Aに気持ちぶつけてもいいんじゃないかな」
そう言って笑うユースケはいつもより何倍も大人っぽく見えた。
「…ありがとう」
ユ「もうね、僕、リョウガのこと応援してるからね！！！！頑張って！！！！」
突然泣き出して握手を求めてくる。
「分かった、分かった、分かったから泣くな」
ユ「リョウガあああ！！…ってあれ？雪だ」
雪の予報は見事に当たって雪が降る。
なんだか怪しい雲行きだった。
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作者名：りんご | 作者ホームページ：@redapple0214
作成日時：2016年1月25日 20時
