ある９人兄弟の物語４ (ページ10)

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〇〇なのは侑李説ページ10

涼介side

涼「あれ、なんだこれ」

学校が終わって帰ろうとした時、靴箱に小さなメモが入っているのを見つけた

『話したいことがあるので、体育館裏にひとりで来てください』

うーん...見るからに女の子っぽい字ではないし告白ってわけではないだろうなぁ

侑「どうしたの？」

涼「わっ」

侑「なに、そんなに驚かなくてもいいじゃん」

涼「うん...いや、びっくりしたから...」

さっと制服のポケットにメモを入れる

ひとりでって書いてたし侑李達には見せない方がいいだろう

知ったら絶対ついてくるし

裕「ん？２人ともどうしたの？」

圭「何かあった？」

涼「ううん！何でもない！俺用事思い出したから先帰ってて！」

裕「え、うん...わかった」

侑「.....」

3人に手を振って体育館裏に急ぐ

なんとか納得してもらえたみたいでよかった

侑李とか鋭いからなぁ

怪しまれなくて本当によかったよ

涼「うわ、さむ...」

体育館裏は日が遮られていて寒い

赤色のマフラーに顔を埋めて誰かいないか探す

もしかしたらまだいないのかもしれないけど...

「...先輩」

声がした方を向くと、そこにはサッカー部だった時の後輩がいた

こいつは問題児で、他校と喧嘩やら校則違反やらで悪い意味でとても有名だ

涼「えっと...俺を呼んだのって...」

後「はい、俺です」

この後輩くんは確かにサッカー部の後輩

だけどあまり部活に来なかったせいかほとんど喋ったことはない

俺はサッカー部だったとはいえもう引退したし、今さら何の用なんだろう

後「俺、ずっと先輩が気に入らなかったんです」

は？

後「俺の方がずっと長くサッカーやってるのに先輩ばっかり試合に出て、それでエースって言われてちやほやされて...
ちょっとシュートを決めれば女子が大騒ぎ。

...いいかげん我慢の限界なんですよね」

涼「...好き勝手言ってるけどさ、お前が試合に出られないのは部活にも来ないで問題ばっかり起こしてるからだろ」

そう言うと胸ぐらを捕まれ壁に抑え込まれる

...！くせぇ...こいつタバコまでやってんのかよ

制服に染み付いた臭いに顔をしかめる

後「は？お前いい加減調子乗ってんじゃねぇぞ」

こいつは手を握りしめて大きく振り上げた

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