ある９人兄弟の物語４ (ページ6)

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進路ページ6

光side

はぁ...

どうしよう...

俺の手には『進路希望調査』と書かれた一枚の紙

最終締切はあさってなのに俺が持っている紙はまだ白紙だった

この紙きれをもらった１ヶ月くらい前からずっとこのことを考えているけど全然決まらない

雄也はどうかわからないけど、頭が良い宏太と慧はきっと大学へ行くだろう

でも俺は勉強が出来るわけでもないし、とくに行きたいってわけでもない

だけど将来の事を考えたら行くべきなんだろう

いつまでも母さん達のの貯金がある訳じゃないし、これから先何があるかわからないからいい所に就職して働くのがベストだろう

...なのに、なぜか気が乗らない

頭ではわかってるのに本当にこれでいいのかって心のどこかで思ってるんだ

圭「ひかにい？」

光「ん？圭人どうした？」

紙をさっと後ろに隠す

余計な心配はかけたくないしね

圭「体操服のゼッケン取れちゃって...」

光「わかった、今日縫っとくよ」

圭「うん！ありがとうひかにい」

初めはしょんぼりしてたのに、俺がそう言うとにこっと笑顔になった

光「...っと、もうこんな時間か
圭人、みんなを呼んできて。ご飯にしよ」

圭「うん！」

・

涼「あれ、ひかにいご飯は？」

光「あー...学校でお菓子食べたからまだお腹すいてないんだよね
お腹がすいたらちゃんと食べるから大丈夫だよ」

涼「そっか...」

みんながご飯を食べているのに俺だけ部屋に戻る

もちろんお菓子なんて食べてない

だけど最近はずっと食欲が無くてあまりご飯を食べずにいる

ストレス...とかだったりして...

光「いやいや、たかが進路の事考えただけでそれは無いよ」

思わず独り言を言ってしまう

だけど...うん、大丈夫だよ

だってもう決まったし

筆箱からシャーペンを取り出して第一希望に『進学』と書いた

・