7話 ページ11
門をくぐり帰ろうとすると、見たことがある後ろ姿があった
｢……ねえ、マトリは暇なの？待ち伏せなんてよくまあ…｣
私は彼女の肩を自分の方に引き耳元で呟く。驚いたのか少し声を上げるも
玲｢Aさんっ｣
｢また性懲りもなく口説きに来たの？｣
玲｢口説きにって……｣
｢………私歩いて帰るけど。｣
玲｢えっ……此処からってAさんの家って此処から遠いですよね。｣
｢行きはタクシー捕まえること出来たけど、ここら辺タクシー捕まえる事は出来そうにないからね。貴女車できて無さそうだし、なんなら玲がタクシー呼んでくれない？携帯忘れて呼べないの。｣
玲｢え｣
｢話は聞いてあげたいけど今私外にいたくないの。なるべく早く家に帰りたいから。｣
玲｢わ、わかりました。｣
玲は言われるままタクシーを呼んでくれた。タクシーを待っている間、
｢ねぇ、家でならきいてあげるよ。｣
玲｢！？ありがとうございます！｣
明らかに嬉しそうにする玲に少し笑ってしまった。
……。
部屋の前に来ると
｢そういえば服部さんが私の隣の部屋の人って知ってた？｣
玲｢え！？｣
｢あは、知らなかったんだね｣
私は鍵を開け彼女を招いた。リビングに彼女を待たせ私は上着を脱ぎお茶を入れ玲が持ってきたスイーツと一緒に出した。
彼女は最初は世間話から入ってその後、一生懸命私にスタンドの話をしてくれたがNOという気持ちは変わらなかった。
｢ごめんね。本当に私ではあなた方の役に立たないの。｣
申し訳なさそうにすると彼女は首を横に振り｢いえこちらこそ何度もすみません｣と返してくれた。
玲｢AさんにとってRevelはどんな場所ですか？｣
そう聞かれ私は持っていたカップに視線を落とす。出た言葉は
｢Revelは、私にとって息ができる場所……かな。……私ね、彼等が居なかったら今生きてないの。｣
玲｢え……｣
｢家の事でごたごたがあって1度目の大学の時に最初は彼らと縁を切ろうと頑張ってた。私の家はあまりに黒かったから、彼等を巻き込まないように……巻き込まないようにしてた。でも彼らは突き放しても冷たくしても私を諦めてくれなかった。私を黒く澱んだ所から引き上げ助けてくれた。それが無かったら私……春風Aは生きてなかった。自分の手で人生終わらせていた。だから私は彼等がとても大事なの。初めて出来た友達……ううん、それ以上の存在。……あ、なんか、ごめんね語っちゃった｣
ぱっと顔を上げ、困っている彼女に笑いかけた。
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チナ(プロフ) - 柊さん» 柊ちゃんありがとうございます笑バレちゃいましたw (2021年2月15日 17時) (
レス) id: e6c12722c7 (このIDを非表示/違反報告)
柊 - 続きが読みたくなる作品です！大好きです！！ (2021年2月14日 20時) (レス) id: b30ab4bad1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：チナ | 作成日時：2021年2月11日 22時
