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12話 ページ13




「ごめんねお姉さん、僕ちょっと勘違いしてたみたい。」

「ううん、大丈夫……」


えへへ、と頭に手を回して困ったように笑う男の子はコナン君と言うらしい。そして店員さんの名前は安室さん。
先ほど自己紹介を済ませた私は、バイトの事を思い出しガタッと席を立った。
どうやら私が何かやらかしたというのは勘違いで、むしろ何もしていなかった。

「失礼します」とポアロのドアを開けると「ばいばい」と手を振るコナン君に恥ずかしさを覚えながらも手を振り返す。
またここに来ようかな。なんて少し脈打つ心臓を落ち着かせて雨の中バイトに向かった。



……




午後7時、バイトが終わり帰路についた。
濡れた傘を玄関の前に置いて、部屋のカードキーを挿すとカチャっと扉を開ける。
ただいまーと少し凝った首をぐりぐりと押しながら、誰もいないはずのリビングの電気をつけた。


「……ひっ、」

「…………」

「な、何してるんですか……?ジンさん……」


電気をつけた瞬間、部屋のソファに銀色の髪が垂れ下がっていて思わず悲鳴を上げる。バイト先のスーパーで買ったシャンプーの入った袋がぼとりと落ちる。
数秒硬直したものの、その髪の主がジンさんであると分かると同時にほっとため息が零れた。


「……ジン、さん……?」


いくら問いかけても反応がない彼を疑問に思い、ソファを覗き込んでみると、顔は帽子で隠れていて見えないが静かに聞こえてきた寝息に眠っているんだと確信する。

ジンさんがこんな所で眠ってしまうなんて、珍しいってものじゃない。まるで絶滅危惧種を見たような状況に、好奇心が抑えきれなかった。
そっと手を伸ばして顔を隠している帽子を取る。いつもの鋭い瞳を宿す目元は閉じられていて、うっすらと開く綺麗な形の唇。

……この人、実はイケメンさんなのでは?


「あ……?」

「────わぁ!?」

「ぐ、っ、」


まじまじと見ていると突然開かれた目。びっくりして思わず帽子を彼の顔に押しつけてしまった。「てめぇ何しやがる」とジンさんが私の腕を掴んだので我に帰り、光の速さで土下座した。
死ぬ、死ぬ、殺される……!


「まだ、死にたくない、です……」

「……珈琲、ブラック。」

「はいただいま!」


バタバタ走って台所へ行きガチャガチャとコップを探してお湯を沸かした。電気ポットがカチッといえば急いでお湯を注いで、ジンさんの前に持っていった。

これで許してもらえると思ったが彼の「不味い」の一言で白目を向いた。

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高原(プロフ) - 海鼎さん» うわぁー!再びコメントありがとうございます!頑張ります! (1月27日 21時) (レス) id: 07676443a0 (このIDを非表示/違反報告)
海鼎 - イラストがうますぎて泣きそうです...!更新頑張ってください! (1月27日 20時) (レス) id: 489d0b19f8 (このIDを非表示/違反報告)
高原(プロフ) - 馨さん» そうなのです……イラストは私が描かせて頂きました!そう言って貰えて光栄です!頑張ります! (1月12日 8時) (レス) id: 07676443a0 (このIDを非表示/違反報告)
- イラストは作者様が描かれたのでしょうか...?!!? とってもお上手で設定のページで数分ほど硬直しました.....あの絵だけで30分は語れる自信が...(( 、お話も大好きです!!! トリップモノの中でも着目できるくらい...!!!(?) (1月11日 20時) (レス) id: e10e5449fb (このIDを非表示/違反報告)
海鼎 - フサァ....(髪の毛が飛んでいく音) (1月4日 22時) (レス) id: ecba555ceb (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:高原 | 作成日時:2017年12月25日 1時

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