42、風なびく ページ6
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窓から見える外は辺りが何も見えないと言うほど真っ暗だった。
…全然眠れない。
裏門に続く扉をゆっくりと開ける。
今日は不注意なのか故意なのか分からないが、鍵がかかっていなかった。
そんなことどうでもいいやと思いながら外に出る。
風が白髪を優しく撫でて通り過ぎていく。
サクッ、サクッ、と心地よいリズムで芝生を歩いていき、少し歩いたところで腰を下ろす。
気を少し抜いてしまったからなのか、瞳から涙が一筋頬を伝っていった。
「あはは…情けないな…僕」
声が震える。手も、体も、心も、全部。
それを治めるように力強く腕を掴むが、まだ小刻みに震えていた。
もう、出荷されたみんなはここにはいないんだ。
今更後悔したって遅いのに、僕は馬鹿だ。
ずっと、ハウス１の天才だなんて言われてたけど、そんな訳がない。何人もの命が失われていることに、僕は今まで気づかなかったんだ。
「くそっ…くそっ、くそっ！！！」
もしも時間を巻き戻すことが出来たならなんて考える。もし、そんなことが出来たとして、僕には何かできたのだろうか。みんなを助けることが…できたのだろうか。
せめて貴方だけでも助けたかったなんて、図々しいよな、と目を閉じる。
…あの、平和な日常を過ごすことはもう、無理なんだよね。
僕は昔を思い出しながら目を開けて遠くを見つめる。
4人で笑いあったあの日々。エマをからかうレイと、それにぷりぷりと怒るエマ。そして、顔を伏せて笑いを堪えるA。
そんな3人を見ているのが楽しかった、幸せだった。
ノーマンの頭の中をたくさんの記憶が通っていく。
｢あの日…青空が綺麗に広がっていた日…｣
僕は目を伏せてゆっくりと記憶を辿っていった。
…
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ま る(プロフ) - ドレミさん» ありがとうございます！ (2020年8月9日 23時) (
レス) id: daec944286 (このIDを非表示/違反報告)
ドレミ(プロフ) - すごい面白かったです！更新楽しみにしてます。頑張ってください！ (2020年8月1日 2時) (レス) id: be212e7380 (このIDを非表示/違反報告)
ま る(プロフ) - 伊織さん» 嬉しいです！！(感動)ありがとうございます！！ (2020年7月10日 20時) (レス) id: daec944286 (このIDを非表示/違反報告)
伊織(プロフ) - 好きです！！（唐突）これからも楽しみにしてます、頑張ってください！ (2020年5月24日 9時) (レス) id: 70033b6f85 (このIDを非表示/違反報告)
なこ(プロフ) - lkwistervenさん» だ、大丈夫ですか…？（震）よし、私も鏡をわr((殴 (2019年11月30日 18時) (レス) id: 5389d4eda8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ま る | 作成日時：2019年4月25日 20時
