50、博識な彼 ページ15
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レイにはこのことを伝えた方がいいのだろうか。
ふ、とこの疑問が浮かんだ。白色の髪の毛を揺らしながらノーマンは悩む。
本当ならば直ぐに伝えた方がいいだろう、勿論それは分かっている。博識だから、最適な案を出してくれるだろう。
｢…｣
だけど、そんなことをしたら
レイがAのことを大切に思う気持ちは僕にヒシヒシと伝わっていた。このことを知ってしまったら、あのレイでさえ理性を失ってしまう可能性がある。
｢でも…どうして…｣
僕は、今でもなぜAが出荷されたのか分からなかった。だって、Aはずっとフルスコアだったじゃないか。事情があったとしてもなぜAなのか。
「それだったら、僕でもよかったのになぁ」
僕もAと一緒でずっとフルスコアを取っていた。みんなに人気者だったAよりは僕が出荷された方が良かっただろう、本気で僕はそう思っていた。
「ノーマン？ご飯だよ！」
肩をトントンと叩き、エマに呼ばれた。心配そうにこちらを覗くエマに優しく微笑む。エマもへにゃっと可愛らしく笑い返してくれた。
エマに心配させてどうするんだ、と自分を叱る。今考えることはそんなことではないでしょう。
＿＿＿脱獄を成功させる、それだけ。
「うん、今行くよ。」
「はーい！」
仮面の笑顔をつけたままエマはパタパタと走っていく。ママにバレないように、うっかりボロを出さないように、気をつけながら。
『がんばってね。』
ご飯を食べ終わり皿を洗っている途中、どこかで声が聞こえた。自分の周りには誰もいないのに、と不思議に思ったが、自分の心の中から聞こえてくる声だった。優しくてお母さんみたいに暖かい声で聞き覚えのある、安心する声。
「…うん。絶対成功させる。」
『絶対みんなで成功してよ。』
「もちろん。」
カシャン、と洗い終わった皿を直していく。
A、もしみんなが危険に晒されてるなら、僕は命を差し出してもいい、それくらいの覚悟はあるよ。
そのことは口には出さなかった。
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ま る(プロフ) - ドレミさん» ありがとうございます！ (2020年8月9日 23時) (
レス) id: daec944286 (このIDを非表示/違反報告)
ドレミ(プロフ) - すごい面白かったです！更新楽しみにしてます。頑張ってください！ (2020年8月1日 2時) (レス) id: be212e7380 (このIDを非表示/違反報告)
ま る(プロフ) - 伊織さん» 嬉しいです！！(感動)ありがとうございます！！ (2020年7月10日 20時) (レス) id: daec944286 (このIDを非表示/違反報告)
伊織(プロフ) - 好きです！！（唐突）これからも楽しみにしてます、頑張ってください！ (2020年5月24日 9時) (レス) id: 70033b6f85 (このIDを非表示/違反報告)
なこ(プロフ) - lkwistervenさん» だ、大丈夫ですか…？（震）よし、私も鏡をわr((殴 (2019年11月30日 18時) (レス) id: 5389d4eda8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ま る | 作成日時：2019年4月25日 20時
