48、貴方は ページ13
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「出荷なんてだめだよ！」
真っ暗闇の中で声が聞こえた。
声のした方を見ると、幼い女の子が腰まである黄色い髪をふわりと揺らして叫んでいた。
パッチリとしたオレンジ色の眼をキッと鋭くさせて、レイを見ている。
「……だれ？」
そう問いかけると、彼女は鋭くさせた眼を今度は細めてにっこりと笑った。不思議がる俺に｢そんなことよりも！｣と声を荒らげる。
「お外は怖いの。だから、でちゃだめ！」
女の子はそう言って、俺を抱きしめた。
女の子の頭を優しく撫でると、可愛い笑顔で笑った。
……この子、誰かに似てるな。
それは誰だかわからない、似てるところもわからない。だけど、見たことがあるような笑顔だった。
「…俺は、もう疲れたんだ。」
何を言ってんだこんな幼い子に、なんて思ったけど、彼女はハウスにいる同じ年齢の子達より随分と大人っぽく見えた。
「あと、もうひとがんばり。みんなをたすけてあげよ？」
そう言うと、今度は俺の頭を優しく撫でた。
どこか懐かしい、だけどこの子は見たことがない。
不意に顔を上げると、Aの姿はどこにもなかった。跡形もなく消えている。
「君は…誰？」
女の子に向かって自然と声が出た。ほぼ無意識に。
女の子は、こてりと首を傾げ、｢あ、そう言えば言ってなかったね｣と思い出すように笑った。
「わたしのなまえは───────。」
……
「レイ〜！！」
気がつくと、俺はベッドの上に横たわっていた。
その上にフィルがぴょんぴょんとのっている。
俺が目を覚ますと、｢えへへ｣と無邪気に笑う。
「あさだよ〜！ごはんだよ〜！」
そう言って俺から飛び降り、走ってどっかに行ってしまった。居心地が悪い静寂。さっきの夢の事を思い出してため息をつく。最近ため息しかついていない気がする。
「はぁ…なんだったんだあれは…。」
夢にしては妙にリアルだった。
ほんとに、Aはそんなことを思ってた…？
そして、あの娘は…誰なんだ？
｢…考えたって仕方がないか。｣
どうせ、夢なんだから気にしたって仕方がないと自分に言い聞かせて、俺はゆっくりと重い体を起こして食堂へ向かった。
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ま る(プロフ) - ドレミさん» ありがとうございます！ (2020年8月9日 23時) (
レス) id: daec944286 (このIDを非表示/違反報告)
ドレミ(プロフ) - すごい面白かったです！更新楽しみにしてます。頑張ってください！ (2020年8月1日 2時) (レス) id: be212e7380 (このIDを非表示/違反報告)
ま る(プロフ) - 伊織さん» 嬉しいです！！(感動)ありがとうございます！！ (2020年7月10日 20時) (レス) id: daec944286 (このIDを非表示/違反報告)
伊織(プロフ) - 好きです！！（唐突）これからも楽しみにしてます、頑張ってください！ (2020年5月24日 9時) (レス) id: 70033b6f85 (このIDを非表示/違反報告)
なこ(プロフ) - lkwistervenさん» だ、大丈夫ですか…？（震）よし、私も鏡をわr((殴 (2019年11月30日 18時) (レス) id: 5389d4eda8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ま る | 作成日時：2019年4月25日 20時
