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YG「うーん、A食べるわ。」
『は????』
口を開けば訳のわからないことしか言わないから、ちょっとムカついて無理やり腕を退かそうとするけどいくら色が白くても足が細くてもこの人もしっかりと男で、全然びくともしなかった。
YG「悪かったよ、そんな泣きそうな顔すんなって。もう揶揄ったりしねえから。」
あぁ普通に揶揄われてたんだ、って、少しでも自分も期待とかしてたのか、その自分にすごく腹が立って、もう何も言わず、部屋を出た。
でもこれ、私のせいじゃない。
そりゃそうなんだよ、世界のスーパースターなんだから、こうやって時折現れた女の子を揶揄う遊びくらいするんだよな、彼らに幻想を抱いてしまっていたな、と勝手に反省した。
最初からこうすればよかったのだけど、他のメンバーにはグループトークで何を食べるか聞いてテヒョンが駐車場にいると言うので急いで向かった。
『ごめんねテヒョン、お待たせ。』
TH「んーんー、あれ?A泣いた?いや、泣きそう?」
泣いてないのに、そんなこと言われるってことは泣きそうなんだろうな、ってテヒョンに言われて気づいた。
『えっ?何もないよ?乾燥してるのかも!待たせてごめんね!早く車乗ろう。』
割と表情を隠すのは得意なはずだったのに、一瞬でテヒョンにバレてしまうなんてまだまだ未熟だな、と車に向かいながら落ち込んだ。
特に話しかけてきたりもせず、テヒョンの綺麗な指が遊んでるのを、運転席に乗ってる私はボーッと見てしまった。
『あっ!え?テヒョン!後ろだよ!あんたは!』
TH「え?やだよ、2人なのに。」
『2人だからでしょ!』
TH「いやいや、そんな顔してるAに1人で運転してもらいたくないね!」
何も言わないと思ったら急にそのテンションでぶっこまれたから、全然そんな空気じゃないのに思わず吹き出してしまった。
TH「やっと笑った!よし!やっぱり俺は助手席ないなきゃダメだね!出発!」
テヒョンのおかげでさっきまでのどうしようもない気持ちが少しだけ楽になったので、仕方ないから大人しく助手席に座らせた。
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作者名:ミン | 作成日時:2023年4月30日 22時