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『ユンギさんはノックしても作業中気づかない…。』


ドアの前で独り言を言うのも仕方がないと思うんだよ。ノックしても気づかないのはわかったけど、勝手に入っていいものなのか、と。


しばらくドアの前を右往左往していたら目の前のドアがガチャっと開いた。


『わっ、』


YG「ドアの前の影がうろちょろしてんの見えてんだけど。」


『すいません、、、』


入んなよ、と言われて、別に入る必要なんてなかったのにテンパって入ってしまった。初めて入った作業部屋は、Vliveとかで見たやつのまんま。


これは、ファンからしたらたまらないんだろうな。


『これ見てもいいんですか?』


ちょっと柄にもなくテンションがあがっちゃって、PCのデスクトップを見てもいいか尋ねたら意外にもはにかみながら見ろ見ろ、って言われたので心臓がトクンとした気がした。


いや違う違う、不整脈?


ちょうど作業中だったであろう音楽ソフトのバーを見ながら、前から興味があって少し知識があるのでこんなふうに音重ねる人なんだ、とか思ったり。


YG「面白い?これ見るの。」


突然耳元から低い声が響いて、驚いて仰け反りそうだったのも全部ユンギさんの身体にガードされた。


机とユンギさんが私を挟む形で、ユンギさんの両手が机の上のキーボードの横に置かれている。つまり、私は後ろからギリハグをされてるかされてないかくらいの絶妙な距離感にいて、え?なんで?えっと?今何してたんだっけ?


って頭がちょっとショート状態。


慌ててユンギさんの方向いたけど、むしろ逆効果で今まで後ろから包まれてる感じだったのが普通に顔を向き合わせてしまった。


YG「何でそんな慌ててんの?」


全く涼しい顔で、コーヒー飲んでテラスに座ってるテンションで言われても、私はやっぱり理解できないんだけど?


『いや、なんですかこれ?退いてくれませんか?』


普通にちょっと、強めな口調になってしまったけどこれは私の身も危ない。ここは会社だし、一応誰でも外からスモーク越しに見えないこともないし。


ていうかテヒョンを待たせてるの忘れてたし。


『いや、えっと、なんで退かないんだろう。いいや、あのお昼ご飯買ってきますけど何かいりますか?』


もう諦めて、普通におかしい距離感でお昼ご飯の有無を聞くけど全然返事してくれないし。だんだんユンギさんの匂いが鮮明になってきて、さっきの不整脈みたいなやつ、どんどん早くなっていくんだけど。

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作者名:ミン | 作成日時:2023年4月30日 22時

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