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『は、?』
イチャイチャしてた、が全然見当つかなくて、さっきの一連を思い返してみたけど
たしかに、言われてみたらそう見えてしまうのか。あぁ、ダメだ、気が抜けすぎてる。
『あー、気をつけるよ。引き締めなきゃー。』
TH「ん?ウエストは十分引き締まってるけど?」
『セクハラで訴えますよ?』
ほんとに、この人たちは距離が近くないと死ぬのかな?私あなたたちのために距離を取ろうとしてるんだけど、もしかして私のこと男だと思ってる???
TH「ねーえ、どうだった?ライブ。」
相変わらず腕は私の首に回されてるけど、斜め上のテヒョンの表情を見ると、どこか寂しげで、ちゃんと真面目に聞かれてた。
『テヒョンはね、会場の空気全部を、纏ってた気がした。アーミーたちの心を、繊細に汲み取ってた感じ。あれは、ステージの上でできる人なかなかいないよなぁって思ったかな。』
私が前を向けばテヒョンの顔は見えないから、回されてる腕の温もりだけで素直な言葉がつらつら出てきて、テヒョンの返事聞こえなくて急に恥ずかしくなってきた。
『テヒョン、?』
私が問いかけると、ギュッと腕の力が強くなって顔を見ようとしても、見させてくれなかった。
TH「あー、A。ずるいよ、それは。」
『なんか、ごめん、?』
やっと腕の力が緩まって、もう一回テヒョンを覗いたらちょっと瞳が輝いてた気がした。
この美しくて繊細な心に、どれだけ傷をつけて、つけられてきたんだろうか。
TH「A、韓国戻ったら出かけよう。二人で。」
『いやいや、無理でしょ。』
突拍子もない提案に、即答で無理、って言ったけど。いや、なんで???
TH「いいじゃん。マネージャーで付き添いだからって言ったら行けるでしょ。」
『ソジュンさんで良いじゃん。』
TH「いや、俺がAと行きたいんだけど?あくまでもそれは口実だし。」
言ってること一回も核心が掴めないんだけど、一体何を企んでいるのか。とりあえずこの話は適当に流せば忘れるだろうし、彼にとって欲しい言葉をあげられたなら、そらで十分でしょう、マネージャーは。
TH「じゃあ、ヒョンに許可もらったら行くからね?わかった?絶対だよ。」
兎にも角にもあの顔面で、すごい圧でそれ言われたら、いいえ無理です、なんでその場では絶対言えないのよ。
言える度胸のある姫君は、是非挙手していただきたいところ。
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作者名:ミン | 作成日時:2023年4月30日 22時