剥がれる【JK】 (ページ6)

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YOU side

数々の世界中のアーティストを見て、音楽を聴いてきた。

自分の住んでいる韓国という地に自分の胸を刺すアーティストがいないことはもう何年も前から気づいてもいた。

それでもなにか希望を持ちたいのか、自分からプロデュースをしたいと思える人を探すために毎日あらゆる媒体を見る。

『…………。』

少し前から気にはなっていたこの7人組のアイドルBTS。

なんとなくむず痒く、探すのをやめられなかったのはこれか。と少し気持ちが軽くなる。

すぐに彼らの事務所にメールをしてアポを取った。
彼らなら世界の頂点に立つことも難しくない、と。

私は業界で名前も顔も出さずに活動しているためレイという名前を伝えてもわかる人は少ない。疑われても困ると思い今まで関わってきた曲のデモや制作途中だったアーティストの曲も送る。

それが功を制したのか、彼らの事務所が仕事ができるのか、返事は思ったよりもすぐに返ってきた。

指定された日程に事務所に向かい、アーティストたちに会ってほしい、と。

ここの代表はもしかしたら私を知っていたのかも、とも思ったが、自惚れが自分を苦しめることは痛いほど知っている。

丁寧にメールに了解のメールを送り、今世紀最高のアーティストを生み出すために私は意気揚々と彼らに会う日を待った。