剥がれる【JK】 (ページ45)

今日:1 hit、昨日:21 hit、合計:140,361 hit

45 ページ45

YOU side

デビューから1週間後、初めてのテレビ収録に参加することになった。ありがたいことにデビュー後としては異例の勢いでSNSのフォロワーが500万人も超えて、なぜこうなっているのか自分でもわからないくらい。

原因がわかったのはTwitterを開いた時。

私は普段趣味で写真をよく撮るからSNSはインスタをよく使っていたのだが、たまに開くTwitterでBTSの公式アカウントからリツイートや共有が大量にされていた。

同じ事務所だし、確かにありがたい話だ。

私はリプライでありがとうございます。と送信してまたアプリを閉じる。

私だけの力ではどうにもならない気がして、ちょっとだけ彼らとは距離を取りたくなった。

YN「A〜、そろそろ挨拶に行こう。」

殺風景な楽屋に私とユニョンオッパしかいないので、オッパも私も無言で過ごしていたがやっと仕事が始まる。

今は余計なことを考えず、ただ楽しもう。

そう思いながら楽屋を出た。

1人目の挨拶は俳優のキムスヒョンさん。彼の主演だったドラマはいくつかあって、役によって全然雰囲気の変わる姿にファンになった記憶がある。

『失礼します。bighit entertainmentのAです。』

「どうぞ〜」

返事をもらって扉を開けると、わざわざ立ち上がって迎え入れてくれた。

『はじめまして。先日デビューしたAと申します。』

「はじめまして。実はたまたまPVを見たのですが、あまりにも美しくて一目惚れしました。すっかりファンです(笑)」

初対面でも人を持ち上げるのが上手だな、とこの業界の凄さを感じたが、素直に受け止めて嬉しくなった。

『ありがとうございます。光栄です。私もドラマを観てファンになりました。』

お世辞でもなく素直に伝えると、目を細めて笑ってくれた。それから少しお喋りをしてよろしくお願いします、と挨拶を済ませ楽屋を出た。