剥がれる【JK】 (ページ39)

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SG side

Aがついに正式にデビューした。

改めて、この人は天才なんだと痛いほど思い知らされたと同時に、Aが頭から離れなくて会いたくなって仕方がなかった。

他のメンバーも彼女に会いたかったのは同意見だったのか、Aが宿舎に来ることになる。

ジョングクやテヒョンを見てると彼女のことが好きなのはもう隠してもいないし、他の人がどう思ってるかわからないけど表に出るとなったらメンバー外でも彼女のことを知る。

そうなると本当に、感じたことのない胸の痛さを感じた。

「ハハッ、、」

一人で乾いた笑いが出て、なんでよりによって彼女のことを好きになっちゃうかな〜、と思う。

俺らのプロデュース制作期間、多分メンバーの中で誰よりも彼女と長い時間を過ごしたのは俺だ。

良いものは良い、悪いものは悪い、とはっきり伝えてくれるし、それもしっかり言葉を選ぶ。どこがどう良いのか、悪い部分は気を遣ってるわけではなくても俺らの傷つかない言葉で核心をついてくる。

小さな気遣いや、立ち回り、表情や醸し出す空気何もかもが虜だった。

狭くて暗い作業部屋にいて、何も感じない男はいないんじゃないか。

制作が終わってしばらく事務所ですれ違うことも会うことも減って、なんとなく事務所の忙しそうな雰囲気にも違和感。

そして今日、案の定彼女が正式にデビューをした。

どうにか、彼女の隣に立つのは俺であってほしい。