剥がれる【JK】 (ページ23)

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YOU side

私は気づいたらテヒョンさんに自分の話をしてしまった。どんな人にもこの話はしたことがなかったのに、彼の歌を見て、未来の可能性を見て、どうしても黙っていられなかった。

するとテヒョンさんはぽつりぽつりと彼の話をしてくれた。

「ほんとは歌いたいんですよね？」

そう言われて一瞬息が止まった。

彼の前で歌わなきゃよかった、という思いと、本当はそう言ってほしかった、という思い。

「僕と一緒に歌ってくれませんか？」

その言葉で、自分が泣いていることに初めて気づいた。

『……………はい。』

何も考えず、気づいたらそう答えていた。

『テヒョンさん。ありがとう。プロデューサーなのにこんな情けない姿を見せてしまってごめんなさい。』

まだ止まらない涙と、嬉しさで口角は上がってぐちゃぐちゃな顔だ。

テヒョンさんは私に近づき、ふわっと初めての香りが香る。

「ごめんなさい。思わず抱きしめたくなっちゃった。」

そう言って口を四角に笑ったテヒョンさん。

その笑顔を見ると思わず私も笑顔になってしまう。

これがアイドルの力か、と思い知らされた瞬間。

彼らのプロデュースももちろん、私自身も力をいれなくては、と強く思った。