剥がれる【JK】 (ページ20)

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TH side

ソロ曲を作る、と言う課題。

みんながそれぞれ行き詰まりを感じていたタイミングで、僕らはパンPDに呼ばれた。

そこで出会った1人の女性。彼女は信じられないくらいすごいプロデューサーらしい。

僕は音楽は好きだけど、ナムヒョンやユンギヒョンたちほど専門知識はない。ただ心地のいい気持ちの赴くままに聴くから。

僕らは彼女にサポートを受けることになったけど、もうすでに自分のソロ曲は完成していた。整っていないのは自分の声だけ。

ハスキーで甘いボイス、そう世間では評価してくれているけど、自分の声があまり好きではなかった。

鼻が詰まったような声に感じていたし、音域もすごく広いわけではない。

ボイトレをいつものようにしよう、と思い事務所の廊下を歩いていると、ナムヒョンとジョングクがさっきの女の人と一緒にいる。

少し怖いな、という印象を彼女に持った僕。

遠目で見たときに彼女が笑っているのを見て、自分の顔が熱くなるのがわかった。

自分の歌を、彼女にベストな状態で聴かせたい、と。

男としてのプライドなのか、アーティストとしてのプライドなのか。

どちらかはわからないけど、3人がいる作業室から離れてすぐに自分のトレーニングを始めた。